この記事は2017年4月17日~18日の出来事です。
世界各地の物価は非常に流動的で、かつその多くが高騰傾向にあります。2017年の出来事として記載されている公共交通の料金や個人タクシーなど、現在と大きく異なる可能性もあります。ガイドブックに載っている最新版の料金でさえ違うことが殆どですから。。
今回の記事は一気に2都市進みます。というのもフェズの次の目的地であるエルラシディアは、これといった観光をしていないからです。しかしながら、エルラシディアではモロッコ人の友人が出来ました。モロッコ現代の賢い若者の考え方を聞くことが出来ました。
また、その先の地でもこちらは日本人ですが、大切な友人が出来ました。
それらは後述するとしまして、当記事の行程はこんな感じで。
フェズ~エルラシディア
エルラシディアにて一泊
エルラシディア~リッサーニ~メルズーガ(サハラ砂漠への玄関口)
フェズの民間バスターミナルを朝8時半に出発するBAB SAHARAという会社のバスに乗り込みました。バスターミナル内は朝から活気あふれており、カフェテリア(というか食堂に近い?)がすでに数件営業を開始していました。朝食を調達し忘れても、ここでちゃんと手に入ります。
この時のモロッコは日の出が遅く、かなり早朝の雰囲気。8時半ですけど。
モロッコは基本、乾燥した大地。すぐに砂と岩の風景になります。羊たちよ、そこに食うもんあるか?もっと向こうに草いっぱいあるよ!
その後バスは、モロッコを縦に割るアトラス山脈を越えてゆきます。
岩がちになってきました。
途中で休憩を挟み、遠くの岩山に巨大なアラビア文字を見、家の壁が土になってきて、オマーンを思い出させる町を経て、
み、水がある!
カメラのホワイトバランスがおかしいワケではありません、不思議な色をした湖です。砂漠の何かが溶け込んでいるんでしょうか。
そして16時過ぎにエルラシディアに到着しました。およそ7時間半の移動。
これは、エルラシディアの大通りを眺められるカフェレストランから撮ったものです。
ここに辿り着く前に宿を確保しました。今回は予約サイトを通さず・・ていうかブッキングドットコムに一軒も載ってない!
ので予めグーグルマップで目処を付けておいた宿に交渉するつもりでいたら、すぐにおっさんが寄ってきて「その宿はダメだ。ブラザーの宿を紹介してやる」というのでついていきました。怪しさ過飽和状態。結晶化して沈殿してるぞ。「エルラシディアは気に行ったか?」いや、来たばっかりだから。。
連れられてきた宿はバスターミナルから歩いてこれる「ホテルダナン」。一泊200ディルハム(約2,200円)でした。最初に目処を付けていた所と値段も変わらないし、悪くなさそうだからまぁいっかということでここに決定しました。
ちなみに宿のおっちゃんにブラザーいる?と訊いたら「いないよ」。まあ、ブラザーって、曖昧な言葉ですよね。特に胡散臭い連中にはいいように使われてますよね。
一旦バスターミナルに戻って砂漠への玄関であるメルズーガ行を探します。
民営もCTM(国営)も、メルズーガ行がなーい。バス関係の人に訊いたら「メルズーガに一番近くまで行けるのはリッサーニ行しかない」とのこと。ちなみにアルニフ行もリッサーニを通るそうです。
バスターミナルの外に乗り合いタクシー(グランタクシー)がいたのでメルズーガ行があるか訊いたところ6人乗りで600ディルハムで行ってくれるとのことでした(最大人数乗ればひとり100の計算になる)まぁ、高いので却下ですけど。
やはりバスを使って刻んでいく手段をとることにしました。
そして、上の写真のカフェにやってきて喉の渇きを癒すことに。ドリンク2つで20ディルハム。
ジュース飲んでたら後ろから「こんにちは。日本人ですか?」と声を掛けられました。に日本語?
外国で現地の人に日本語で話しかけられたらまず疑えという鉄則がありますよね。そう、我々も最初は疑っていました。でも、一生懸命日本語を引き出して話す彼を見て、気になってきます。どうしてそんなに日本語話せるんですか?と尋ねると「JICAの人が教えてくれたんです。その人はもう帰っちゃいましたけど、日本語は自分で続けて勉強しているんです。マンガとかで」
日本にいるときはエルラシディアって聞いたことなかったけど、ODAは細部まで浸透しているなぁ。ナルトも浸透しているなぁ。海外ではワンピースよりナルトの方がちょっと強い印象がありますね。よく見かけるグッズランキングとしてはドラゴンボール、ナルト、ポケモン、ワンピース、キティさん、て感じの順位かな。ドラゴンボールは少年向が多く、ナルトはどちらかというと大人に知名度があるようです。忍者だからかな。ただグッズ関連でいえばディズニーやバットマン、スパイダーマンは圧倒的です。
ちなみにメキシコに滞在していた時は、修復中の教会の防護柵にトトロ(メイとサツキは誰だか知らない女の子になってた)、千尋とハク、ハウルのカブが描かれていてジブリ一色になっていて、ある商店の中では犬夜叉グッズがありました。うーむ、日本のマンガはすごい。
こちらが我々に話しかけてくれたイマドさん。最初疑っててゴメンね。看護師の仕事の合間に日本語を勉強しているとのことでした。そのことだけでも凄いことだと思うのですが(世界的には超マイナー言語を勉強しているワケだし、英語はもう勉強する必要のないレベルだし)、
なにより彼の話を聞いて、我々のイスラム教徒に対するイメージを多角的なものに変えてくれたことが驚きでした。
報道やこれまでの旅での、今までの我々のイメージだと、良くも悪くも熱心で敬虔な信者ばかりだと思っていました。
それが良い方向に出れば信心深く、親切で誰とでも分け合う、清廉な人に映るのですが、悪い方向に出ると妄信的で他の宗教の人を差別する、戒律の外にいる相手(ムスリム以外)に対しては荒っぽい事含め何してもいいとまで考えている人もいるとかいないとか・・
そんなイメージだったのですが、彼は社会と宗教を冷静に捉えていて、他の宗教や価値観を認めることが必要であると語っていました。そしてそう考える若者は増えているとも言っていました。
彼は沢山語ってくれたのですが、宗教のことなのでここで具体的に書くことはこれ以上しません。とかく我々にはとても新鮮に聞こえました。そして、世界の平和を垣間見た気がしました。
そして「ブロシェット食べてみましたか?」まだと答えると、食べてみましょうということでブロシェットとサラダを注文して、我々にご馳走してくれました。おぉ、分け合う精神ですね。いや違うね、こっちから何にもあげてない、ただおごってくれたんだ。ありがとう。
暗くなるまでイマドさんと語らい、その日を終えました。
翌朝、9:15発リッサーニ経由アルニフ行のバスに乗り、リッサーニで下車することにしました。エルラシディアからリッサーニまでは民営バスでひとり25ディルハム、荷物代ひとつ5ディルハムでした。そこからバイクタクシーかグランタクシーでメルズーガまで行けるとのことでした。
こんな乾燥した地域の森林の中で野焼きしている光景を見てハラハラしたり、建物がミニチュアみたいに見える村を眺めたりしているうちに、約2時間でリッサーニに到着するのでした。
降りたところでバイタクのあんちゃんが声を掛けてきたのでメルズーガまで行きたい旨伝えると「オッケーだ。15ディルハムでどうだ?」と言ってきたので正直、そんな安いんけ、バイタクだからかななどと思いながら承諾して乗せてもらうことにしました。
バイタクに荷物を載せ。荷台デカいっすね。荷台の奥が椅子になってます。
荷台から見たリッサーニの風景。露店なのか市場なのか、ゴチャゴチャしてました。嫌いじゃないけど。
そしてノロノロ走ること5分。「ここだよ。降りて」。っえ?
「あれ、メルズーガまで行くんじゃないの?」「メルズーガまでだよ。だからここでこの車に乗り換えるんだ。」
それってメルズーガまで行くって言わないよ!グランタクシー乗り場までっていうんだよ!
ということで歩ける距離を意味もなくバイタクに乗ってしまった我々でした。そこからメルズーガまでのグランタクシーは、ひとり15ディルハム。まぁ、バイタクも大した出費じゃなくて良かったです。エルラシディアからグランタクシー乗ってたら最低でもひとり100ディルハム掛かっていた筈なので、結果だいぶ安く移動できました。
グランタクシーで一時間弱、メルズーガに到着しました。
そしてここがメルズーガで砂漠一泊ツアーをやっている宿「リヤドマムーシュ」。
メルズーガにある宿ではほぼ100%砂漠一泊ツアーをやっているのですが、なぜここを選んだのかというと、飯田橋にここのお店があるから。モロッコタジンやホテルHP
って、東京でこの店行ったことないんですけどね。日本で経営を成功させているだけあってサービスがきちんとしています(多分他より値段は張るけど)。ホームページから砂漠一泊ツアーのクーポンを受け取れるのでもちろん入手。我々はスマホにクーポンをスクショして宿の人に見せるだけでオッケーでした。
ちなみに我々、リヤドマムーシュには宿泊していません。メルズーガに着いたその足で荷物を預かってもらい、ツアー参加だけでもオッケーなのでした。かなり綺麗な宿なので、お金に余裕があったら泊まってみてもいいかもしれません。
屋上から中庭を覗いたところ。綺麗なプールがあります。
屋上から外を眺めたところ。メルズーガはこんな感じの所です。商店はありますが、必要最低限です。
屋上に謎のスペース。提灯があって和むのもつかの間、ガイコツが!
これから我々が向かう砂漠も見えます。砂丘デカいな~。
上から見た時泳いでいた人たちは日本人でした。一泊ツアー仲間のナミさんとミサキさん。
真ん中がリヤドマムーシュの人で、後は今回のツアー仲間となる人達。女性陣は砂漠の砂対策で頭をターバン巻きしています。理由は分かりません。ノリだと思います。左から二番目はユーキさん。まさかこれから世界中で彼と何度も会うことになるとはこの時思いもしませんでした。このブログにもユーキさんは今後何度も登場することになります。
ツアー開始は17時からなので、お昼ご飯と、砂漠から帰ってからの宿を確保するために外出します。
近くにあったオアシスというリヤドで値段を訊いてみようと伺ってみたら、ㇴっと現れたのは日本人。なにゆえ?ここも日本人経営なの?(リヤドマムーシュは何人の経営か知りませんが)
写真一番右のタカさんという方は、サハラ砂漠で写真を撮り続けているカメラマンさんとのこと。長くこのオアシスに滞在してはビザの更新のためにスペインに行き、またここに戻ってきて、を繰り返しているとのことでした。タカさんの口からたまに「うちの宿は・・」というフレーズが出るのでもはや住んでいる感覚なんでしょう(笑)日本語と英語の対応をスタッフの代わりにしているらしく、正規従業員より働いてるじゃんという印象でした。
値段もダブルで一泊300ディルハムということでリヤドマムーシュよりだいぶ安かったので、ここに泊まることにしました。
そしてタカさんの左にゆうこさん、更に左にゆうなさん。この二人にも今後再会することになります。ていうかメルズーガ日本人多いな。タカさんは今もまだ砂漠にいるのかな。せっかくなのでお昼ご飯もここで食べることに。
ひき肉がたっぷり入ったサンドイッチ40ディルハム。砂漠は都市部に比べて流通が少ないせいか物価が高めです。これはボリュームたっぷりでしたけど。
さてリヤドマムーシュに戻ってツアー開始!
水中メガネ持った?え?持ってないよ、なんで?
出発ー!
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