宿のおばちゃんハリジャとおめかしして遊んでいたら、時間はいつの間にか過ぎていて、お昼もとっくに過ぎていた。
そろそろアイトベンハッドゥに向かおう。
私たちが泊まっているAuberge restaurant Tombouctouは中心から少し離れた所にあり、徒歩30分かかる。だが30分はあっという間にすぎてしまう。雄大な岩山と緑溢れる田畑が広がり、働く人々の姿を見ながら時々手を振りあったりしていると、いつの間にか中心地に入っている。
中心といってもこんな感じで、こじんまりしたものだ。
奥に写っている丘が、アイトベンハッドゥだ。遠くからも見えるこの存在感。
さぁ、行こうかなとてくてく歩いていると、向こうから見たことある人が歩いてきた。
ユーキ君だ。
ここに観光に来るとは思っていたから、もしかしたら会うかなと思っていたが、約束していたかのように合流したのが面白かった。
こうゆう風に、何故だか何度も会う人は旅中に何人かいる。
アイトベンハッドゥに入るための橋に向かう途中には、お土産屋さんが軒を連ねている。
カラフルな洋服や小物雑貨はデザインがとても可愛いが、縫製や作りがイマイチなのもある(笑)
服を増やすことは出来ないし、今持っている服は捨てるには勿体無い、と思っていると、お店の兄ちゃんが話しかけてきて、君たちが持っている服と物々交換も出来るよ!と面白い提案をもらった。
それはいい!とアイトベンハッドゥの観光が終わったら服を持ってくると約束した。
ラクダやベルベル人をモチーフにした絵のお土産も多い。
ふと小学生か中学生の時にハマった、「天は赤い河のほとり」という少女小説を思い出した。砂漠の王子と恋に落ちる内容だったが、私にとって恋愛というものを学んだ教科書だった気がする(笑)
砂漠はロマンが溢れている。
骨董屋さんに置いてありそうなものも沢山ある。この大きなやかん、金運上がりそうじゃん。
橋のむこう側がアイトベンハッドゥだ。
日干しれんがで造られた建物が丘の斜面にそって立体的に造られている。こういう村のつくりを要塞化された村という意味でクサルというらしい。なんとも迫力があり壮観だ。
ちなみにユネスコの世界遺産に登録されている。
幾つかの映画のロケ地にも使われているようだが、私が知っているのはアラビアのロレンスとハムナプトラ2。
アラビアのロレンスは3回ほど鑑賞を試みたが、滅茶苦茶長い上にあまり面白くなくていつも途中で止めてしまい、結局最後どうなるのか、よく分からないで今に至る。
一応地図があるけど、全くわからない。分かることは、建物が入り組んでいるということ。
丘の上に向かって登っていく。
道は結構狭いが歩く道は修繕したようで歩きやすい。壁はざらざらしていて固く乾燥している。
迷路のように入り組んでいるので、かくれんぼとか出来そうだ。
家々はかなり崩れてしまっているが、人々がまだ沢山住んでいたころの情景が浮かび上がってくる。
辛い登りでもないが、カフェもあるので一息できる。
狭い道の両脇がお土産で埋め尽くされている道もある。昔の住処は今は観光地となり、商売の地になっている。
肌触り悪そうだけど、ちょっと着けてみたい。
丘の上までもう少し。
丘の上の頂上にはひと際朽ちた建物がある。
丘の頂上からの眺めだ。
上から見ると、沢山の塔と頑強そうな壁が沢山見えて、要塞化されているのがよくわかる。あそこの塔から周りを監視していたのだろう。
橋の向こうが、新しくできた村。
色合いは似ているけど、雰囲気が全然違う。
日本でいうと、再開発された区間と、昔のままの街並みが橋で分断されている感じ。
大げさに考えると、川で隔たっているからか、あの世とこの世とも思えてくる。
修復作業が進んでいる以上、ここはあの世ではないはずだが。
元気ですね~。
丘の上までは30分もあれば行けると思う。
後は下って戻るだけ。
下りの道には、なんだかちょっと雰囲気が違うお土産屋さんを発見。
お土産さんは登りの道にも沢山あったけど、ここはなんだか異空間が広がっていて、得体のしれないものが所狭しと置かれていた。
今にも奥から魔女が出てきそうな雰囲気。
面白そうだったので、入ってみる。
お店の中には魔女ではないが、超能力を使えそうな小柄のベルベル人のおじさんが一人。なんとこのおじさん、話を聞くに、アルジェリアからラクダと共にはるばる砂漠を通って、作った商品を運んで来たとの事。その間の食事などは、物々交換で賄うらしい。
まじキャラバンじゃないですか。
凄すぎる。
ベルベル人は自由の民。パスポートなんていらないのだ。(実際の法律はわからないが、おっちゃんはそう言ってたし、サハラ砂漠のベルベル人もそう言っていた)
私たちの旅と、おじちゃんの旅はレベルが違う。
見れば見る程、色んなものが置いてある。この写真中央のは錠前だ。
う~ん、なんとも言えない雰囲気醸し出している。
錠前だけじゃなく、その横の短剣もただものではない雰囲気だ。
ファティマの手もずっしり重厚感がある。
これは時計かな。これを回したら次元が曲がりそうだ。
これはシェード。宇宙観が出ている形をしている。
自由を意味するベルベルシンボルをモチーフにしたペンダントも沢山あった。
こんなに大きいペンダントはどこにも着けていけないだろう。
いや~ここのお店はタイムカプセルみたいで、とてもワクワクした。
おじさんにお礼を言って出ようとすると、日本人はみんな写真だけ、中国人は買ってくれるのに、と嫌味を言われてしまったが…。
お洒落なドア。
イラスト画も独特で可愛い。
この木彫りの人形はベルベル人の神様。
下まで戻ってきて、改めて下からアイトベンハッドゥを見上げてみた。
本当に不思議な眺めだ。
ユーキ君とお茶して別れた後、物々交換を約束したお土産屋さんに寄った。
ムラケンはタイで買ったパンツとシャツ、私は友達から貰って履き倒したパンツを持って行った。
全て頻繁に着用していたものだったので、少しヨレヨレ感があったが、快くいいよ、と言ってくれた。
好きなものを選んでいいよ、というので色々物色して試着してみたが、大半が私たちには大きすぎた。
隣のお土産屋さんからも選んでも良いよ、とかなり自由度高め。
最終的にサイズが大丈夫そうな、アフリカン柄のパンツと赤い花火柄みたいなものを選んだ。
物々交換成立!!
私たちのパンツとシャツは、まだアイトベンハッドゥにあるのか、もしかしたら砂漠を越えて遠い異国に行っているかもしれない(笑)
今日の夕食は宿のおばちゃん、ハリジャに頼んで作ってもらった。
タジンの具は、レモン!
甘じょっぱい中にほのかに酸っぱみがあって、ものすごく美味しかった!
今日も沢山歩いた。
お疲れにゃ。
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この時滞在していた宿はコチラ⇒Auberge restaurant Tombouctou