絶景舞踏

旅記事189 上海南駅から張家界の長距離列車


一昨日あらかじめ買った列車の切符は上海南を16時49分発の翌日の12時58分張家界着で硬座の席だった。

約21時間かかる。

チケットには席の番号が記載されている。

宿のチェックアウトを済ませて、まだ時間は幾ぶんかあったが早めに上海南の駅に向かった。

 

上海すき家

 

お昼を食べていなかったので、上海南にあるすき家にはいってみた。

結構メニューは充実している。お客さんも私たちが入る前はひとりもいなかったが、後から次々と入ってきて、まあまあ繁盛していそうだ。

日本ではすき家とか吉野家とか牛丼屋さんにはそう入らないが、上海のすき家のクオリティはいかなるものか。

 

すき家の牛丼すき家の汁ナシ麺ボタンは日本語

 

スタッフを呼ぶボタンには日本語が書いてある。

頼んだのは、オーソドックスな牛丼と汁ナシ麺。味噌汁付きだ!!

うん、あんまり美味しくない・・・。

 

上海南構内

 

食べ終わった私たちは、上海南の駅構内で待つことに。

駅構内にも飲食店はいくつかある。

 

中国のトイレは汚いということで有名。

昔北京に行ったときもオープンしたてのレストランだったにも関わらず、トイレは相当汚かったことを覚えている。駅のトイレではドアを閉めずに平気でしている人もいた。用を済ませながら、HELLO!って感じで井戸端会議。

地方にいけば溝トイレは当たり前だった。

さて上海南のトイレはどうだろうか?!

駅構内のトイレ。日本だってそんなに綺麗とはいえない。

綺麗なはずはない。

うん!汚かった!(笑)

でも数年前に比べると、幾分ましになったような気がした。

急速に中国は発展して、いろいろ改善されているんだなあと思った。

そういえば昔北京で目がつぶれていたり、けがしている人が路上にたっているのをよく見かけていたが、今回上海では見かけなかった。

それが本当のところどういった意味をなすのかは私にはわからないが…。

あのころの北京は我が先にと行った感じで、人々がすごくギラギラしていた。押せ押せみたいな感じで、こちらも果敢に立ち向かっていかないと押しやられる感じだった。そういったものは、あのときよりは幾分落ち着いているような気がした。

電車の乗り口には順番を守るのが高徳のある人間、みたいなことが書かれてあった。

とは書いてあるもののまだそれは完全には浸透していない。

長距離列車が到着して乗り込む人々の半分は押せ押せって感じだった(笑)

でも半分の人はちゃんと並んでいたのだ。これはマナーを人々が知り始めた証拠なのではなかろうか。

 

長距離列車のホーム

 

電車はこんな感じ。古い。写真に写っているのは食堂車だ。

 

電車の中

 

硬座の車両は思ったよりも私にとっては綺麗だった。椅子も思ったより硬くない。

だがとても狭いのでとても窮屈ではある。

これで21時間耐えられるか!?

私たちの席は2人が一つの長居椅子に座る形で、2人ずつが向かい合わせになる様になっていた。通路を挟んで隣がムラケンの席になっていた。

よって私もムラケンも隣も前も中国人だった。

 

不服そうな顔

 

見よ。このムラケンの不服そうな顔。

でもまだ通路を挟んでだったのでトイレに行きやすくマシな席だった。

勿論トイレは汚いので、極力行かなくて良いように断水した。

私の隣にはずーと携帯で誰かとやりとりするおばさんと、前の席には小さい子供を抱えた奥さんが座っていた。

車両のなかには少し柄が悪そうな人もいたので、よかった~女の人で、とほっとした。柄の悪い人や気味悪いおっさんが隣だったときにゃ、もう廊下にずっといるしかない。

 

でも結論から言えば、長距離の硬座はカオスだった。

汚い、臭い、うるさい、三拍子がそろう空間だった。

電車は10分ほど遅れて発車。

早速みんなタバコを吸い始める。

中国人はヘビースモーカ-が多い。

一応車両の外で吸うようになっているみたいなのだが、車両の中にじゃんじゃん煙が流れ込んできた。

そして観察していると大量の食料を買い込んでいる中国人が多かった。

席にすわるやいなや、袋をバリバリ開け始めむしゃむしゃと食べ始めた。

食欲旺盛だ。

車両の外にはお湯が出る蛇口があった。そこでみんなカップラーメンにお湯を入れて食べ始めた。

なんだか得体のしれないものを食べている人もいる。得体のしれないものは、この間スーパーでみた鳥の足だった。

ムラケンの斜め前の人がそれが大好きらしくずっとむしゃぶりついていた!!

兄の関わっていたビジネスマンたちは音を立てて食べることはしていなかったみたいだが、大半の中国人はくちゃくちゃと音を立ててものを食べる。

ほかの国にいたときも、日本人ぽいなとあまり区別がつかなかった場合でも、なんの違いでわかるかというと食べ方の違いでわかるのだ。

彼らはどこでもくちゃくちゃと音をたてて食べるのが常だった。

悪口を書きたいわけではないが、私はこのくちゃくちゃ食べる音がどうしても嫌だった。

くちゃくちゃと音を立てながら気味の悪い鳥の足にむしゃぶりつく女性…。

おおおおおおおおおおおお………….

そしてなんだかわからないが鉄製の灰皿みたいなものがあってそこにぽいぽいと捨てていくのだ。食べ終わった鳥の足が沢山。

勿論下に捨てる人も多いので車両の床はみるみるうちに汚くなってきた。

 

 

そして声がでかい。すごくでかい。叫んでいる。

電話で話す声もでかい。そんなに声張らなくても、音ちゃんと拾うから!と言いたくなる。

日本人からすると中国語は少しきつく聞こえて怒っているように聞こえるからかもしれない。

私の隣は中国で今はやっているのか、スピーカー状態にしてチャットを延々と複数の人としているおばさんが座っている。そのスピーカー音もでかい。エコーまでかかっている。近くでも違う人が何人か同じようにチャットで楽しんでいる。

電話の音もよくなる。バイブとかにしといてくれたら良いのに。

車内は賑やかを通り越して、騒音だ。

 

携帯のバッテリーやティッシュ売りがやってくる。バナナやリンゴ、缶ジュース売りもいる。

私とムラケンはあまり日本人とばれるのも嫌だったので、ひたすら静かに本を読んだ。話しかけられそうになっても出来るだけ沈黙を守った。

 

17時半頃、少しずつ太陽が沈み始める。夕焼けが列車の窓から差し込んでくる。

ぐっすり眠った子供を抱えた奥さんの顔を橙いろに染めている。

子供を抱えてのこの狭さ、大変だろうなぁ。

景色はすっかり田園だ。建物はビルではなく、低い一軒家ばかりになった。

先が尖ったもみの木みたいなものがたくさんあった。

広大な中国の大地。

時折瓦礫の山とゴミの山が見える。

外が暗くなりはじめると隣のおばさんはやっとエコースピーカーチャットを止めて何やら食べ始めた。トマト炒めがご飯に掛かった代物だ。くちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃ

おおおおおおおおおおおおおお・・・・・

日本人の蕎麦や麺類を食べる時に啜る習慣は他国からするとお行儀が悪いように見えるらしい。そうか~こんな風に見られているのか~これは気をつけようと思った。

途中何回か駅で停車する。

その停車時間が結構長い。だから21時間も掛かるのだと思う。

夕飯の時間になるとまたもやみんながカップラーメンをすすり始める。

カップラーメンの匂いとタバコの匂いで脳がグラグラした。

そして夜になるとよくわからないが、スピーカーホンを持った人が演説みたいなのをし始めた。

しばしば聞いていると、どうやらタバコは身体に毒だ!と演説しているらしい。

そして彼が勧めたいのはタバコにこのフィルターをつけると煙が直接肺にいかないので、肺が黒くならないというものだった。これでなんといくらだよ!!みたいなセールストークだった。

タバコを吸わない私としては、タバコ吸わなきゃいい話じゃん、と思ってしまうが吸っている人から見ると魅力的なのかもしれない。

 

スピーカーホンでセールスする人、後ろではデカい声でまくしたてながら話している人、いい感じのBGMもかすかに聞こえる、そしてカップラーメンを豪快にすする音、得体の知れないものをくちゃくちゃと食べる音、横ではおばさんがまたエコーのかかった音で誰かとチャットを始める、前の席に座っていた子供はぐずりだしてぎゃ~と叫びだす、若い青年は自分の声を携帯に吹き込んでそれを何度も聞いて自分の声をチェックしている、携帯から漏れるテレビやゲームの音、

とにかくみんな出す音がデカい。

音の洪水。

そして充満するいろんなものが混ざった匂い。

カオス

夜中になると幾分か静かになったがそれでも何かしらの音は鳴り響き私とムラケンは一睡もできるはずもなく、ひたすら耐えた。

中国人は本当にスーーーーーパーーーーー元気!!!!

なんだかいろんなものを通りこして私は彼らを観察するのがとっても楽しくなってきていた。

 

朝。5時くらいからだったか、少しづつ空が明るくなりはじめた。

中国人の朝は早い。

みんなもそもそ活動をし始める。やっぱり朝ごはんはみんなカップラーメン!

ワゴンを引いて朝ごはんが売られ始めた。

なんだろうと覗いてみると、お粥だ。

おお!これは美味しそうだなと思ったが、食べる気にはなれなかった。

到着するまでまだまだいろんなことがあったが、ちょっと長く書きすぎたので省略する。

お昼にもまたお弁当を売るワゴンが来た。

 

朝ごはん

 

さすがにお腹が減ったので買ってみた。ひとつ15元(300円くらい)

しょっぱかったけど、野菜中心でまあまあ美味しかった。

そして張家界が近づいてくると車掌さんが床を掃除しはじめた。掃除はしているんだなとちょっと安心した。

 

張家界に到着

 

そして13時過ぎ。少し予定時刻から遅れてやっっっっと張家界に到着!!

この約21時間の乗車時間でトイレに行きたくないがために断水していたので、1回しかトイレに行かなかった。なんだか体も耳も足も感覚が変になっていた。

おケツも痛くて、ムラケンはこの時から何日か痔になった(笑)

 

でも盗難とか危ないとかそういった心配は全然なかった。

うるさくて汚くて臭くて辛いのを我慢すれば結構面白い体験も出来ると思う。

あ~~~疲れた~


 

 
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