絶景舞踏

旅記事335 砂漠からの帰還、幽霊に遭遇


この記事は2017年4月19日の出来事です。

昨晩焚き火の前でベルベル人から聞いた、ベルベルジョークをひとつふたつ。

たった3つの動作だけで、ラクダを冷蔵庫に入れるには、どうすればいい?

民明書房刊「これであなたもベルベル人」より

また、4つの動作だけで、象を冷蔵庫に入れるには、どうすればいい?

民明書房刊「これでますますベルベル人」より

答えは記事の後の方で。

昼間の風は夜には止み、闇の砂漠を万琵と歩いていると、他には何もなく、ただ砂の白と夜の黒とのモノクロームな世界に浸っていきました。

ヘッドライトを消すと自分が砂の上に立っていることさえ曖昧になるほど真っ暗で、しかし地面を踏み込むと少し下の砂はほんのり太陽の温かさを保っているためか、不思議と暗闇の不安を感じることはありませんでした。もう少しここに立ち尽くしていたい。

すると遠くで何かがキラリと光ったのでそちらに目を向けてみると、さっきのベルベル人がおーい、こっちーと呼びかけてきました。

そこに行くと、彼がブルース・リーのマネをしてきたのでちょっと闘ってあげました。周りに砂しかなくて安全なのでバク転したりゴロゴロ転がったりして激しめに動きました。

とにかくベルベル人は元気です。我々をもてなしてくれるために砂漠で料理をして火を起こして音楽を奏で、夜がとっぷり更けるまで喋って、まだこんなカンフーごっこやるか。脱帽。 ブルース・リーもジャッキーチェンも、日本人じゃないけどね。

砂漠の情緒などどこかに飛んで行ったけど、これがサハラ砂漠のベルベル人のあり方なのでしょう。

翌朝、日の出を見ようと、まだ静かで冷たい砂漠を万琵と歩いてみることに。

サハラの朝

そこで気がつきました。

太陽がどこから昇ってくるのか全くわからない!

そして更に、遠くは既に砂煙がたちこめていて、日の出の瞬間を確認することが出来ない!

まぁ、朝の散歩、ということで(笑)

辺り一面砂ばかりという空間の、神秘的な感覚は目が覚めても冷めやらず、万琵はもう一踊りしていました。前の記事の動画の後半部分が翌朝の踊りです。

サハラ砂漠舞踏7
転んだんじゃなくて踊ってます
砂漠にいます

振り返ると、我々が寝泊まりしたテントが見えます。

砂漠のテント

朝食は砂漠で、ではなくメルズーガのリヤドマムーシュで摂ることになっているので、それまでに村まで戻らなくてはいけません。テントの方でベルベル人が呼んでいるので名残惜しいけれど、テントに向かいます。

すると「ちょっと手を出して」と言われたので出してみると、

サンドフィッシュ
サンドフィッシュ

なんじゃこりゃ!キモい!けどちょっと可愛い。

僕の手をちょっとだけ這って、砂の中を泳ぐように消えていきました。

「サンドフィッシュだよ。」なるほどフィッシュ、言い得て妙だな。

見たことも聞いたこともない生物に触れ、貴重な経験をしました。

ガイドの布団

ベルベル人の布団。外で寝たんだ!寒いよね!

記念撮影

ベルベル人の一人と日本人たちで記念撮影をして、駐ラクダ場へ。

帰るぜー!
帰るぜー!

ラクダは元気です。昨日の出勤の時はまあまあ渋っていたけど、帰る時は元気なのね。人間と一緒だな。

ユーキさんonラクダ

ユーキさんもラクダに乗り、また一時間かけてメルズーガに戻ります。

ラクダの鞍には把手がついており、斜面の急な砂丘の稜線上を歩くときなどはこの把手を手放せません。たまにラクダ自身も転びそうになります。

どこまでもサハラ

どこまでもサハラ。

ロープを咥えてます

後ろのラクダは前のラクダのロープを咥えてます。そうやって列を作ってます。ちなみに僕の後ろのユーキさんのラクダは何かに興奮を催していたようです。

やはりサハラ

草が増えてくると、村が近づいている実感が湧きます。そしてラクダたちも結構ハァハァいってます。上に乗っておいて言うのもなんだけど、君らすぐ疲れるのな。

ラクダ乗り

ベルベル人がラクダ乗りたちの写真を撮ってくれました。サービス精神旺盛。

お疲れちゃん

メルズーガに到着。お疲れちゃん。

そしてリヤドマムーシュに戻り、すぐに朝食です。プール前のテーブルに食べ物が並べられてきました。

リヤドマムーシュで朝食

朝食は普通だけど、美味しかったです。やはり疲れていたんでしょうね。ジュースが進みます。フルーツが欲しかった!

我々以外はリヤドマムーシュに一泊するとのことだったので、みんなとはここでお別れし、荷造りをして予約しておいたオアシスという宿に向かいます。リヤドマムーシュからは徒歩で5分くらい。

オアシス
オアシスの客室

一泊300ディルハム(3,300円くらい)で朝食付き。割と清潔な部屋で、専用シャワーでした。この時この宿には、日本人のタカさんという人が仕事で常駐していたり、旅行で来ていた他の日本人もいたこともあって、夜に集まって飲み会をすることになりました。

オアシス食堂
オアシスの食堂

これはオアシスの食堂。翌朝の朝食の会場になります。我々はシャワーを浴びたり洗濯や休憩などして夕方まで過ごしました。

暗くなってきたところで、僕が一人でビールを調達しに出掛けました。

小さな村とはいえ観光地でもあるメルズーガ、イスラム教国家であるにもかかわらず、ビールが手に入ります。やはり値段は高め、350ml缶が25ディルハム(275円くらい)でした。ちなみにビールといっても発泡酒のような淡泊なお味。

メルズーガで買ったビール

そしてその帰り、村は街灯も殆どなく、真っ暗な道を宿まで歩いていました。

するとある場所で人の気配がしました。感じるところ、子供の気配でした。

こんな真っ暗なところに人が立ち尽くしている、ましてそれが子供であるなんてことあるハズもなく、過去にも似たような霊体験をしたこともあって、すぐにそれがこの世のものでないことが分かりました。

僕は幽霊が見えるワケではないのですが、存在を感じていることを幽霊に悟られたくないので敢えて確認をせず、心の中にしまっておいて飲み会に参加しました。

話が盛り上がり、飲み会が進むとお酒も足りなくなり、タカさんと日本人の女性と万琵が3人で買い足しに行きました。もう近くの店は閉まっていたのでタクシーで隣町まで出掛け、ワインなどを買って帰ってきました。

赤ワイン「カスバ」
カスバは城塞の意

帰ってきたタカさんの話を聞いて驚きました。

タカさん「あそこの通りに幽霊いるね」

僕「子供でしたか?」「マジ?わかった?」

やっぱりあれは幽霊でしたか。タカさんと、もう一人の女性も分かっていたようで、3人で怯えていました。が・・・

万琵はまったく気づいていませんでした(笑)

飲み会は途中からユーキさんが参加し、同じ宿に宿泊していた韓国人の2人も加わり、遅くまで続くのでした。

オアシス飲み
ユーキさん帰った後だけど・・

ベルベルジョークの答え。出典もジョークですけど。

3回の動作でラクダを冷蔵庫に入れるには、

①冷蔵庫を開ける

②ラクダを入れる

③冷蔵庫を閉める

でした。デカい冷蔵庫ですね。

4回の動作で冷蔵庫に象を入れるには、

①冷蔵庫を開ける

②ラクダを出す

③象を入れる

④冷蔵庫を閉める

でした。ベルベルジョークを楽しむコツは、寛大な心ですよ。


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この時滞在していた宿はコチラ⇒オアシス