絶景舞踏

旅記事264 生贄の寺院ダクシンカリと世界遺産の古都パタン


この日の予定は、前日・前々日と運転してくれたドライバーに再びお世話になり、カトマンズから南に車を走らせます。

まずは、生贄の寺院「ダクシンカリ」

そして、世界遺産の古都「パタン」

この2つを巡ります。

最初のダクシンカリは、ヒンドゥー教の女神カーリーを祀る寺院です。ヒンドゥー教には沢山の神様がいますが、カーリーは血と殺戮を好む暗黒の神だそうで、毎週火曜日と土曜日にはこの寺院でカーリーに生贄を捧げる儀式が行われます。土曜の方が盛大になるそうで、どんぴしゃこの日は土曜日でした。

生贄に使われるのはヒンドゥー教徒の経済力によって違ってくると思いますが、大きなものでは山羊が捧げられます。考えて見ると毎週2回で毎回山羊はかなりきついですね。大きな供え物をする時はなにかその人にとって重要なことがある時なんでしょうか。

カトマンズを出た車は整備されていない道を走り、山の奥へと進んでいきます。そんなところにひっそりと、もとい堂々とダクシンカリが建っていました。

ダクシンカリを見下ろす

山の中の鬱蒼とした木々を切り開くでもなく、隠れるように存在する寺院ですが、周辺だけ異様な熱気と人だかりがあります。

花輪売り

生花で出来た花輪を売る店が沢山ありました。これもお供えに使われるんでしょうか。似合う似合わないの問題ではないけど、花輪を首から提げているおっさんもいました。そういえばハワイに行った時、首に花輪を掛けられたなぁなんてことを思い出しましたが、シチュエーションは全然違いますね。

お祭りのように色んな店が出ていましたが、浮かれている人は見当たりませんでした。

ダクシンカリに近寄ってみた

寺院に近寄っていくと人だかりはひとつの行列になりました。みんなそれぞれに何かを手に持っています。

鶏を持った人

鶏を持った人が前を歩いていました。もちろん、山羊を連れた人もいました。山羊はみんな若かったように思います。

内部をのぞき見

上から内部を覗き見してみると、池でチャチャっと生贄を洗っています。ホントにチャチャっとだったので、その辺はテキトーなのかも。清めるにしても水綺麗じゃないし。

赤い帯と鐘 ギリギリまで近づく 隙間あれば線香

いたるところに紅白の帯や鐘が吊るされており、先が霞んで見えなくなる程線香が焚かれていました。

赤い粉と米

みんなが赤い粉末と米をばら撒いていたことが印象的でした。赤は血をなぞらえているのだろうかなどと考えていました。

儀式のハイライト

儀式のハイライト。山羊の首が切り離され大量の血が流れています。結構強烈な画像ですが、大丈夫な方は画像をクリックしてモザイクの無いものをご覧ください。

ハイライトといっても、行列の生贄の数だけ行われているのでこれがずっと続いています。首切り職人はまさに職人といった素早さで生贄の首を切り落としていきます。

 

ひととおり見た後はまた離れて反対側にまわり、上から様子を伺っていました。

ハトとカラスが 反対側俯瞰で

寺院の周りにはハトとカラスがびっしりとまっていました。ハトは米を、カラスは血を求めてきたようです。斜面には犬が数匹うろついており、ちょっと恐怖です。

しばらく眺めていると突然大きな音が、ゴゴゴ、メキメキメキ、ガサササ!となり、人の悲鳴が聞こえてきました。そして辺りが砂埃にまみれてしまいました。

埃が晴れて音の方、騒ぎのする方を見てみると、寺院の傍の斜面に生えていた大きな木が途中で折れて倒れていました。見たところけが人はなかったようで、大事には至らず(でいいのか?)儀式は続行していました。

木が倒れた

なにか重いものが乗っていたのか、幹はまだ生きていた感じなのに折れてしまいました。

 

ひととおり見たので、次に移動することにしました。

 

生贄。世界の土着の古い習慣みたいな形で資料などを見たことはありましたが、現代のネパールという文化的な国において、形骸化することなく本物の血を流す儀式が、それも密かにでなく大々的に行われていたことに非常に驚きました。ちなみに生贄にささげた肉は、きちんと処理して食べるそうです。

 

次は、前日に行ったバクタプルにちょっと似ていますが再びの古都です。こちらも世界遺産カトマンズ盆地の一部、パタンです。

パタンもカトマンズの南側にあります。この町はサンスクリット語で「ラリトプル」と呼ばれ、美の町という意味だそうです。その名の如く旧市街にある建物の多くが非常に細やかな装飾が施されています。

チケットカウンター

車はダルバール広場前に到着し、そこの素通りできそうなチケットカウンターでひとり1,000ルピー(約千円)支払います。この入場券には傍にある、博物館の入場券も兼ねているので後で博物館に入るのをお忘れなく。

ダルバール広場から

ダルバール広場からのパタン旧市街。映画のセットのようです。こうして見るとネパールの女性はやっぱり派手な服装。

ちなみに博物館は上の写真の右手側にあります。

ここも地震のダメージが

バクタプルほどではありませんがここでも地震の被害があり、修復している建物がありました。

朝からなにも食べていなかったので、ここで食べ物を調達することに。ダルバール広場の近くにあってガイドブックに載っていたカフェドテンプルというレストラン、には行かず付近の路地にあった隠れた名店「オーノツァ」(これもガイドブックに載ってますが看板はありません)という店でウォーというネパール式お好み焼きを食べました。

オーノツァ

オーノツァのウォー。店内で食べることが出来るようですが、地元の人で混雑していて酒盛りしてるっぽくちょっと難易度が高そうだったのでテイクアウトにしました。ひとつ100円くらい。

うぉー!

うぉー!新聞紙に包まれる雑な感じも乙。あとでクロスワードを楽しめますし。と思ったら全マス埋まってる。

ホントはこのあとカフェドテンプルに入ったんですが残念ながら満席でした。カフェドテンプルの前が広場で、趣ある建物や人の流れなんかを屋上から眺めながら食事ができるナイスな場所です。広場周辺はそのような店がいくつもあるので雰囲気で選んでみていいと思います。

 

我々は取り敢えずウォーで腹を落ち着かせ、散策のため北上しました。

飾られた像 ガネーシャ

ダルバール広場から少し歩くだけでこのように様々な意匠の像やレリーフがあり、それぞれ信仰の対象になっているようです。像だけでなく、水汲み場もこのように祀られており、古都でありながらも現役で人の生活に密着しているのを観察できます。しかもどれも装飾が丁寧でちゃんと作られているようす。

こんなのがその辺歩くとポンポン見つかるのでまさしく美の町、屋外美術館みたいです。

そしてどうやらさっきのダクシンカリでの赤い粉は血とは関係なさそうですね。

ゴールデンテンプル

ダルバール広場から路地を一本ずれたところにある「ゴールデンテンプル」。二体の獅子が門を守っています。ちなみに左がオス、右がメスです。見分け方は、お解りですね。

 ゴールデンテンプル玄関 中へ続く扉

ゴールデンテンプルの玄関。門の装飾が非常に緻密です。そしてそこから中に入ろうとする扉(開け放たれていますが)を横から見るとこのように顔が描かれています。このガッツリ開いた目、明らかに魔除けですね。ゴールデンテンプルはここまでなら無料で入れます。

生活感あふれてくる

もう少し歩くとあっという間に土な感じになります。パタンに住む人の生活の場に踏み込んでしまいました。

ガネーシャ寺院?

寺院の名前は分かりませんが(ガネーシャ寺院?)ここもまた細かい意匠の門構えです。犬もいい。

パタンゲート

パタンの出入口、パタンゲート(パタン・ドカ)。さっきのガネーシャ寺院?がすぐ近くにあります。写真からは見切れていますがてっぺんは地球のオブジェになっています。門自体が曼荼羅なのかな?

我々はさらに南にあるダクシンカリから来たのでダルバール広場がスタートになりましたが、カトマンズ側から来た人は多分ここを入口にするハズ。

この写真から左手にあるちょっと高級レストラン「ドカイマ」でランチにしました。

ドカイマの食事

美味そうだなぁ。恭しく対応してくれる店員で、コーヒーなど付けて1,000ルピー強なのでまあまあ安いです。

 

ここから別の道を通ってダルバール広場に戻ります。

 

ピムバハ池

途中、突如現れるピムバハ池。煙の奥にはブッダアイがあります。

煙の中からブッダアイ

ブッダアイ登場。僕の頭の中には一堂零が微かによぎります。

倒壊を防ぐつっかえ棒

ところどころの壁にこうして斜めの木が立てかけてあります。地震でダメージを受けた建物の壁が崩れないようにつっかえ棒の役割をしているようです。近くを通るの超不安。住んでる人はもっと不安でしょうけど。

路地裏の扉の意匠

細い路地にあった扉の意匠。めちゃくちゃ細かい。

パタン博物館

ダルバール広場のパタン博物館まで戻ってきました。

中はヒンドゥーや仏教の像など保存状態のとてもいいものが多く展示されています。

パタン博物館展示物パタン博物館展示物パタン博物館展示物パタン博物館展示物

博物館好きの僕はここにずっといられます。

結婚写真も撮れる

博物館の敷地内で結婚写真も撮影できるようです。彼らはモデルさんかもしれないけど。

 

またドライバーを長らく待たせてしまったけど、気持ちよくシュリーまで送ってくれました。ホントにいい人だなぁ。さらに明日も頼むよ!

宿に帰ると、スレンダさんが新しい部屋を用意してくれました(事前にもう少し広い部屋を~とチェンジを頼んでいた)。

屋上に案内され、物々しい錠前を開けると・・

新しい部屋

広い!リビングの他にダイニングキッチンと寝室があり、大きなキャビネットが付いていてソファもテーブルセットもある!広い!(二回言いました)

なによりこの寒いカトマンズに暖房機能付きのエアコンがあるのが嬉しい!ちょっとVIP過ぎるのがなんか申し訳ないけど、まいっか!


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この時滞在していた宿はコチラ⇒シュリーチベットファミリーゲストハウス

 

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