中国の夜行列車には及ばないものの、夜行バスはなかなか過酷だった。
バス自体はビップ対応で快適な作りなのだが、なんせ道路がそれに追いついていなくて、ガタガタともの凄い揺れて私は一睡もできなかった。
しかもクーラーが効きすぎていて超~~寒い。
毛布は一人一枚あるが、ダウンを着た上から毛布を掛けても寒くて、冷蔵庫に入れられた気分になった。
横をみると消灯したバスの中でテレビの明かりを頼りにムラケンが読書に熱中している。
もし私がバスの中で本を読んだら5分もしないうちに酔ってしまうだろう。そのうちムラケンも眠りに着いたようだった。
私は夜中の乗り物の中で考え事をするのが好きだった。本当は自分の思いつきなりを書留めた方が良いのだろうが、書く作業をすると途端に酔ってしまうしミャンマーの道路は尋常じゃないほど凸凹していて書くことは不可能だった。
バスの中は勿論、走る道には街頭がなく真っ暗だ。
その暗さをみるのが好きだった。
綺麗な絶景や人々の暮らしや、見慣れないものを観るのも好きだが、光がなくただの暗闇に包まれている場所をみるのが無性に好きなのだ。逆にくっきりと自分というものが浮かび上がってくる。
私は世界を旅しながら、自分の身体を旅している。
早朝のインレー湖は薄く霧が立ち込めていてとても神秘的だ。日が昇ってくると霧に光が反射してなんとも言えない色あいになり、龍がひっそり住んでいるような気がした。湖はシーンと静まり返っていて鏡のようになっている。
暗闇を見続けた目に淡い色が認識された瞬間、今日がやってきた、大きく息を吸った。
透明な軽い空気がスッと肺に入ってくる。
市内に入る前の早朝のインレー湖の空気はとても澄んでいた。
宿に着いたときは、貫徹した後に感じる気持ち悪さがあった。
部屋に入る前に宿のボスみたいなおかみさん?おばあちゃん?が宿で手配できるツアーの紹介をしてくれた。多分ボスがこの宿をすべて取り仕切っているのだと思う。
説明はありがたいのだが、私の脳は停止状態で、ただただ早く休みたいという気持ちであまり頭に入ってこなかった。おかみさんは今日すぐに手配できるよ、11時出発で良いか?とかって答えてもないのにどんどん話を進めていく。危うく、いいよと応えてしまいそうになる。
いやいやいやいや、今日は無理でしょ。明日友達と合流してから考えるよ。
と断ってやっと解放してくれると思ったら、
上で朝ごはん食べられるよ、としきりに勧めてきた。
ご飯なんて今全く食べられないよ・・・。
人によって好き嫌いは別れると思うが、面倒見の良いボスがこの宿の目玉かもしれない。
早朝だったのに、すぐに部屋に入れてくれたのは有り難かった。
シャワーに入って少し仮眠を取ってから、私たちは昼食を食べに外に出た。
リン・タット・ミャンマー・トラディショナル・フードというところ。ここも伝統的なミャンマーカレーが食べられるところだ。しかもここのレストラン、お料理教室も開いている。料理に興味がある人は面白そうだなと思った。
カレー(3000K)を頼むと、大量の生野菜は勿論、サイドメニューが5種類もやってきた。辛いメンマみたいなやつとか、小魚とピーナッツの合わせたものとか、よくわからないけど塩辛いものとか。このサイドメニューでお腹いっぱいなっちゃいそう。
韓国料理を思い出した。韓国でもサイドメニューが沢山ついてくる。お得感が満載。
味はなかなか良かった。後はアボガドサラダ(2000K)とシャンヌードルを頼んだ。
シャンヌードルと言うものは、ミャンマーの東側にあるシャン地方の名物だ。
このシャンヌードルはなかなか美味しいのでおススメ。ひとつ1500K(120円)安いし。もっと安いところだと1000Kとか田舎の方にいけば500Kとかでもあったりする。
そして私たちは宿でチャリを貸してもらって少し周辺を走ってみることにした。
レンタサイクルは一日一台2000Kだった。
チャリで確か1時間くらいのところにHOT SPRINGがあるとのことだったので行ってみることにした。ちなみにその他にはワイナリーとかお洒落なレストランとかもある。
この橋からボートに乗ってインレー湖ツアーもある。この橋にいれば必ず勧誘の人がいるし、大半の宿でツアーを用意していると思う。
私たちはこのボートツアーは多分友達と合流してから行くことになると思う。
市内の道はこのように排気ガスで白く霞んでいる。そしてここもとんでもなく悪路なのでチャリがガンゴンと弾んでお尻が超痛い。パンクしそうで心配になった。
バイクやトラックに追い抜かされる旅に真っ黒の排気ガスを浴びせられるのがなんともキツい。
なに使ったらそんなに黒いガス出せるんだよ~。
その都度息を停めたが、どうしても肺に入ってきて苦しくなり、頭もくらくらする。
風の谷のナウシカで、ナウシカが腐海の中にいるにも関わらず仲間を安心させようとしてマスクを取って話すシーンがあって、マスクを着けなおした後に「ちょっと肺に入った」という台詞と共に苦しそうな表情をするのだが、そんな感じ。
排気ガスのことを抜きにすると、景色はのどかで素晴らしく綺麗なところだった。
学校が終わったのであろう。少年が自転車で帰宅中。
なんとも雰囲気がある光景じゃないですか!良い感じだよ、少年。
ジブリの映画に出てきそうな光景だ。
途中大きなお屋敷みたいなものもあった。
日が落ち始めて稲穂をオレンジに染め始めた。
私たちは温泉に着くのはまだまだかかりそうだったこともあり、暗くなる前に引き返すことにした。
村の中心に戻るとパゴダの前で少年坊さんがサッカーで遊んでいた。
すごくいい。
楽しかった(笑)
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この時滞在していた宿はコチラ⇒ティークウッドホテル
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