この記事は2017年5月11日の出来事です。
ダカールに来てまだ慣れない。
独特の空気感と、人々の目線と、生活の違いと、いろんなことに驚きや感動、マイナスとプラスが激しく動かされ、好奇心と動揺の狭間を行ったり来たりする。
ダカールは毎日晴れていて、日中は汗でベトベトになる。かといって、透き通るような青空を私はまだ見たことがない。
砂埃が舞い上がっているのか、大気汚染によるものか。きっと、どっちもだろう。
取り敢えず、体力が蝕まれるのを感じる。
今日はボブ・マーリーの命日(5月11日)と言う事で、ダカールから日帰りで行けるゴレ島でボブマーリー追悼音楽イベントがあるらしい。
ボブ・マーリーはジャマイカ出身のレゲエミュージシャンだ。日本人のファンも多いのではないだろうか。
彼の音楽と思想は多大なる影響を与えて、セネガルでも大人気。
ゴレ島自体は1815年まで統治国だったフランスが廃止するまで、奴隷貿易の拠点に使われていた島でもあり、今は世界遺産になって観光地になっている。
ということで今日は和心の皆でゴレ島に行ってみることにした。
ゴレ島はダカールの南にあるフェリー乗り場からからフェリーが出ている。
今日は人数も多いし、セネガル人のパピス君も一緒に来てくれるのでフェリーターミナルまでタクシーで行った。和心から10Kmくらい。
セネガル人がタクシーの料金交渉するとあっという間に安く成立する。私たちだけで、セネガル人と同じ代金にするのは、交渉のテクニックと粘りが必要になる。
女性は、交渉しやすいらしいよ(笑)可愛く、笑顔でね!
和心からフェリー乗り場まではタクシー一台2000CFA。
フェリー代は外国人料金で往復5200CFA。
なかなか待合所ちゃんとしてますよ。けっこう賑わっている。
フェリーは平日と祝日の運行時間が微妙に違うが、平日は朝6時半から、祝日は7時から、帰りは0時まである。なかなか夜遅くまで運行しているのだ。
フェリーの上ではアサラトの売り子がいる。右に写っている青年、ボンバーはアサラト奏者で本場セネガルでアサラトを沢山買い付けている。
手前のセネガル人の友達パピスもアサラトの名手だ。
アサラトって何??
西アフリカ生まれの民族楽器だ。
西アフリカ原産の木の実で作られている。この木の実が割れていたりするので、よく見て良質なものを選んでいく。中には草の実が入っているのだが、今は違うものを入れている場合もあるとか。
ボンバーに演奏してもらうまでアサラトという楽器を知らなった。
吸い付いているかのように、手に一体化したアサラトを巧みに動かし、なんともリズミカルな音楽を作り出すのだ。カッコよすぎる。
アサラトを演奏しているボンバーは、この上なく楽しそうで、魂が丸ごとリズムを打っている感じだ。
そんな彼を見ているとこっちも嬉しくなり、やっぱり人間、楽しいって思う事をやるのが一番だな、と思うのであった。
私とムラケンもワンセットづつ買って、まずはシャカシャカやるだけの練習をしたが、非常に難しかった。
ゴレ島が見えてきた。小さい島だ。ダカールからは20分くらいだ。
ンゴール島とは違って、ちゃんと桟橋がある。
向こうのビーチでは子供たちが遊んでいた。
桟橋から島に入ってまずしなければならないのが、入島税を払うこと。
払え、払えと言ってくる人もいないのだけど、真面目に払わせていただきます(笑)
500CFA。後でどこかで提示するところも特にない。
建物は傷んでいるが、なんとも牧歌的だ。
ビー玉遊び。懐かしい~。
こういった光景が見られれば、私的にはもう充分満足である。
これは、なんだ?蚊避けか、日焼け止めかな?
違う国では、喪中の間、体を真っ白くする風習があるところとかもあったけれど。
舞踏でも白塗りで体を白くするが、死体、死者、という意味合いがある。
教会。
セネガルは94%がイスラム教を信仰しているが、中東とかとは様相がすこしちがう。
女性はスカーフの代わりにバンダナを巻いている場合が多いし、普通に肌も出しているし、体のラインもしっかり見せている。女性はお洒落な人が多く、カラフルな生地の上下セットになった服をまとっていることが多い。
犯罪を犯したとき顔を隠せるとして目だけ出すニカフは禁止されているようだ。たまにお祈りしているところも見るが、そんなにはない。
毎日夕方コーランが聞こえてきてイスラム教だった、と思い出すが、中東の雰囲気とはちょっと違う。
勿論断食期間はあるので、この期間は注意が必要だが。
とにかくアート作品が多い。
しかもどれも独特で、世界観がある。
階段を上がって、上から臨むとこんな感じ。セネガルの国旗が風にはためいている。
バオバブの種なども売っている。セネガルの南側にアベネというところがあるのだが、そこは沢山のバオバブが見られる。
アフリカ人ぽくあり、ぽくなくもあるお面。
どのくらいの間、風雨にさらされてきているかわからないが、もはやどこかの遺跡から発掘されたんじゃないかと思えてくる。
フランス軍が作った大砲。
もういっちょ。学生が一生懸命ノートに何かを書いているね。
社会科見学かな。
錆びついた部分が生々しい。
今はお土産屋さん兼この方の住処。
後ろのターバンを巻いた男性の絵は多くのセネガル人に愛されるシェークアフマドバンバさんと言う人。フランスの植民地の時に政府に7年間追放された人らしいのだが、その後に「全て許します」と言ったみたいだ。
なんだか色々説明してくれたのだが、全部は理解不能だった。
あと日本の八百万の神めいた信仰がセネガルにもあるらしい。そんな話もしてたような。
料理はこの囲炉裏で。
これは西アフリカでよく見かけるプラスチックのやかん。
使い方は様々で、このまま口を付けて水を飲む場合もあれば、手を洗うのに使ったり、イスラム教の国ではこれをトイレに持っていき洗浄したりする。
生活の必需品であり万能。
お昼はセネガル人パピスの友達の家に行き、お母さんに作ってもらった。
魚のヤーサかな。大きいお皿にドンと乗っかってきたものを皆で突っついた。
ビーチで遊ぶ人々。
足だけでも海に浸かろう。
気温は結構暑いけど、海は結構冷たい。
地元民と遊んで楽しそう。
でか。
圧倒的な存在感を放っているのはペリカン。
可愛い猫はお休み中。
ボブマーリーの追悼イベントのためにゴレ島に来たのだが、イベントはなんと夜の10時くらいからスタートするとのこと。
10時くらいといっても、実際は何時になることやら。
ボンバーとパピスを残して私たちは先に帰ることにした。
ゴレ島の印象は、アートだったな(笑)
写真などは載せていないが、ゴレ島には奴隷の家やセネガル女性の博物館、セネガル最古のモスクなどもある。
奴隷についての言及をすることは難しい。
アフリカにいると、差別について考える場面は多々起きてくる。
差別はいろんな場面である。
差別はアジア人にだって向けられる。
学校の教科書で習うことや、資料で学ぶことの活字や映像は誰かが作ったものだ。何かの感情や思考が入り込み、あたかも良いこと、悪いことが決められているかのように定義付けていく。
子供は国の政策から、大人から、当たり前のように吸収していく。
人間はまず、国という大きな人間に動かされ形成されているんだと思う。
もの事を捉えるには他方を知る必要がある。色んな側面があり、一方向ではない。
こういった面ではアフリカは本当に考える機会を得る大陸だと思う。
最後に、ボンバーの師匠によるアサラトのデモ演奏を。
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