絶景舞踏

旅記事36 チョコレートヒルズ


ボホール島での我々の一番の目的は、「チョコレートヒルズ」。やはり先ずはそこに向かわねばなりません。

ボホール島の都市タグビラランからチョコレートヒルズに行く手段は、2つあります。

ひとつは、「タクシー!」のおっちゃんたちから良さげな人をを一日借りて向かってもらうもの。因みに一日チャーターするとチョコレートヒルズのみならず、固有種で世界最小のメガネザル「ターシャ」の保護園に行ったり、たくさんのちょうちょを育てている「バタフライガーデン」とか、スペイン統治時代の銅像だという「血盟記念碑」なんかも巡ってくれます。ただ、価格交渉はかなりめんどいです。前日には2,500ペソでどうだなんて言われてました。やなこった!

そしてもうひとつは、ダオバスターミナルというところからカルメン行きのローカルバスを途中下車してチョコレートヒルズで降りるというもの。我々の宿泊先のマティーガ・シーサイドペンシオーネから行くとなると、ダオは徒歩圏ではないので他の乗り物を使います。

ここでミソなのは、ボホールはセブよりも殺伐感が薄いということ。セブでは散々避けていたジプニーに挑戦できるほど、町の人が穏やかな顔をしています。とはいえ我々は終始ピリピリしていましたが(笑)

ジプニーは「アルタラス・バスターミナル」というところから乗ります。アルタラスモールの横にあるターミナルには沢山のジプニーが集まっていて、それぞれのドライバーが行き先を書いた紙を持って乗客を募っています。満席にならないと出発しません。

ダオバスターミナル行きのジプニーを発見して乗り込んだら、運よく(悪く?)ギュウギュウ状態だったので、すぐに出発してくれました。万琵は、座れないからもっと詰めろと先客にあたっていました。料金はなんとひとり7ペソ。おおぉ、セブでは見ることのないヒトケタ。この島は貨幣価値が違うのでしょうか。ダオまではジプニーで10~15分くらい。

ダオは、普通のバスの姿をしたローカルバスのターミナルでした。ジプニーを降りても、どのバスに乗ればいいのか全くわからないので、ジプニードライバーに「チョコレートヒルズどこ?」みたいな感じで訊いたら関係者を呼んでくれました。「チョコレートヒルズ?」「イエス、チョコレートヒルズ!」ついてこいみたいな仕草で速足で歩いていきます。どうか騙されてませんように。

汚いバスの前に来て「チョコレートヒルズ!」あぁそう。僕は横の観光バスがいいなぁ。

バスの乗車口に立っていた若い男の子に「いくら?いつお金払うの?」と聞いても苦笑いで躱されます。こいつ、乗客だ。

乗り込んだ席は一番後ろの左側。前後にある出入口にはドアがありません。バスの中は冷房もありません。その代わり、窓もありません。窓から外を見ると、物売りの人たちがわけのわからないものを売りつけに来ます。見るだけ見といて興味がないので放っておきました。

ダオバスターミナル チョコレートヒルズに向かうバス

ダオバスターミナル チョコレートヒルズに向かうバスターミナル

走り出すと風が入ってきて涼しいのかと思っていましたが、風と共に入ってくるのが排気ガス。と直射日光。前に座っていた子供たちが顔をしかめて窓枠の上にあった木の板を枠にはめます。流石に現地の人もダメなのか。必ず窓側に陣取る万琵はマスクをして、珍しく耐えています。

暑い中、横のおっさんのベタベタの体が僕にくっついてきます。寝てるのか。寝たふりをして「スリ」も考えられるので、リュックサックに錠前をつけてしっかり抱いてました。もう現地のおっさんはみんな悪い人に見えますね。しかも、運転も評判通りの荒さ!路面の荒さに合わせて乗客がジャンプします。隣は寝たままジャンプします。

 

風景は穏やかな田舎。教会だけは改修されているのか綺麗で、この国の人の信心深さを窺い知れます。

チョコレートヒルズに向かう途中

家畜もいっぱいいます。

途中で降りる人は乗務員になにやら告げています。そして料金を払って降りていきます。我々も途中で降りる組なのですが、どこで降りるべきなのか、料金はいくらなのか、皆目見当もつきません。なので、適当なところで乗務員に「チョコレートヒルズ!」とだけ言っておきました。

乗務員は真面目に仕事していました。ところが途中で増えてはそれぞれが「どこまで行くんだ?」と聞いてきたり、そこから交代したりするので一体誰が我々の行く先を把握してるのか、こっちがわからなくなりました(笑)

当初の予定2時間半のところ、飛ばしまくったお陰で2時間弱で到着しました。料金はひとり60ペソ。

チョコレートヒルズの入り口に到着したときには、周りのみんなが口々に「チョコレートヒルズ!」「チョコレートヒルズ!」隣のおっさんもいつの間にか起きてて「チョコレートヒルズ!」せっかくだけどもう降りるとこだから(笑)

降りてからもよく分かってない我々にみんなして窓から顔出して「あっちだ!」みんないい人なんですね。

 

ヒルズの入り口では今度はバイクが声を掛けてきます。我々以外はみんなバイクに跨っていきます。歩いても距離が短いことを事前に調べていなければ、我々も乗ったかもしれません。陽ざしが強くてかなり暑いけれど、10分くらい歩けば到着します。

展望台下の駐車場には、レストランがあり、なにやら子供たちが笛を吹いて踊っています。何かの練習か、寄付金集めかな?

笛吹いて踊る

フィリピンの公衆トイレはたまに有料です。「Tip box」が備えてあって、掃除人であろう人がうらめしそうな顔で利用者を見ています。払わなくても何も言われないけど。用を済まし、いざ展望台へ。

214段の階段

数えていませんが、この階段は、214段あるそうです。チョコレート⇒バレンタインデー⇒2月14日。道理で狭くて急な階段だ。無理やり214にしたらしい。お年を召された方々は非常に苦労していました。

上に着くと、人が沢山いました。

なぜかウクレレ坊や

展望台は殆どが拡大?工事中で、ホントは入ってはいけないであろうエリアにみんな入ってました。我々も、柵を乗り越えます。

チョコレートヒルズと万琵

これ!世界の絶景の本にも載っている、チョコレートヒルズ!季節もよく、右側にチョコレート色、左はまだ緑が残っている状態(抹茶チョコとかいうこともあるらしいんですが、そこまでくると商売の匂いがしてくるので僕はなんかイヤです)、両方見られるのは珍しいのではないかと思います。

ちょっと引きからヒルズ

奥にはこんなに山々があります。なぜこの姿をしているのか、解明されていないそうです。巨人の戦説、恋人の涙説とファンタジックな説があります。一部の山から煙が上がっていましたが、まだ巨人の戦塵が立ち込めているのでしょうかね。

この展望台からはどの方角を見てもこの山々の姿が見られます。地球はすごい造形家ですね。昔の人がファンタジーを想像してしまうのも無理ありません。

チョコレートヒルズ途中の像

展望台の途中にもマリア像。今更ですけどフィリピンは、マリア信仰や幼いキリスト(サント・ニーニョ)信仰が盛んだそうです。

凍結ジュース(甘い)

展望台から降りた我々は喉の渇きと達成感に導かれ、凍ったジュースを買いました。味は、マンゴーと、チョ、チョコレート。

展望台に向かう駐車場までの道のりの時も実はいい景色を拝めます。

自分より背の高いチョコレートヒルズ

低めの位置から見られるので、チョコレートヒルズがより大きく見えます。

このまま黙って帰るのか、どうする?


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