絶景舞踏

出発直前準備


私たちは出発の一週間前までがつがつ働いて、残り時間で、最終準備を猛スピードで行った。

もちろん、パスポートとか、予防接種とか、時間がかかることは、前々から少しずつ進めていっていたのだけど、当初は一週間もあれば余裕でしょとか、のんきに構えていた。

これはものすごい誤算だった。

というのも、仕事をやめた翌々日が、荷物をコンテナに移す日に予定していて(ここでもお金の節約で、父の車を出してもらい、父の仕事の休みを使わせてもらった)、なんだかんだで家の荷物というものは膨大で、何をコンテナにいれるか、何を実家に預けるか、とにかく、なんかわからないけど、やたら時間がかかってしまった。

計算外のことはまだあって、粗大ごみは出発まで空きがなくて結局捨てられずコンテナに入れることになったりだとか、荷物整理も結局夜中通しても終わらず、当初から二日間に分けて荷物を運び出すことを予定していたんだけど、まだ生活するための荷物を残すと、かなりの荷物が家に残ってしまったりとか。

 

そんなこんなで、毎日徹夜の勢いで作業して、なんとか出発2日前に荷物を全部移動させて、家なき子になった私とむらけんは、私の実家に泊めてもらうことになった。

 

実家に泊まったのなんて、何年ぶりだろう。

 

二日間で2キロくらい増えたんじゃないかと思われる、母が作ってくれた大量の、何種類ものごはん。しばらくたべられないなあ。出発前日には兄が実家に来てくれて、お酒で乾杯もできた。

しかし思ったほどゆっくりする暇はなく、ばたばたと前日の夜中まで、荷物整理に追われる始末。

 

こんな感じだから、なんの感傷に浸ることもままならず、日本を飛び出した。

出発の日には早朝に父が起きて、4.5合分にもなるデカいおにぎりを握ってくれた。

出発直前の準備期間が短すぎて、父と母にはかなりお世話になってしまった。

でも、私の親とムラケンが一緒にごはんを食べている姿は、私にとってはなんだか、とても嬉しいひと時だった。


 

その後飛行機に乗る前までは、こちら