海からトゥブアンが上陸するのはマスクフェスティバル開始の合図で、これからが本番、ということになります。
マスクフェスティバルは例年5日間ほど行われているということですが、聞くところによると現地の人、特に実行委員会(という表現は正確ではなさそうですが)の部族は準備に長期間要し、祭自体もひと月ほど続くんだそうです。トゥブアンになる人は約一週間の断食期間などを経て臨むそうで、全てがファジー(曖昧)な国パプアニューギニアにおいてその本気度の高さが容易に伺えます。
2016年は予算の都合なのか、なんと二日間しか一般に公開されないとのこと。祭自体も年々縮小傾向にあるらしく、大ピンチです。数年後には無くなってしまった、なんてことのないように、みなさん、パプアに行きましょう!外貨を落としていきましょう!
それにしてもトゥブアンのあのピョンピョンゆさゆさした動きを休む間もなく延々と続けるタフさは、一週間も飯食ってない状態とは思えません。肉体的な力をそぎ落として精霊を体内に入れることで得られる力というものが存在している―という印象を受けずにはいられませんでした。
そんな我々は日の出前に起きて彼らを迎えるまでの間の断食(ただの空腹)にも耐えきれず、ホテルに戻ってトーストを貪るのでした(笑)このままだとピョンピョンできないわ。しないけど。
ホテルに戻った時点でフェスティバル開始時間に既に近く、急いで食べたものの少し遅れていくことになってしまいました。ホテルから会場までは約10分。開始時間ちょっと遅れたりしないかな~。ここだけはパプアのファジーさに期待したいところです。
会場に向かう人たちに足早についていくと、まもなく到着しました。だだっ広いフィールドに車が何台か停まっていて、テントや藁葺きの物件がいくつかあるのが見えます。マスクフェスティバルの表示はあるのでここが会場なのは間違いありませんが、人の動いている様子が殆ど見受けられません。
あれ・・・遅刻してきたのに。パプアのファジー具合をなめていたようです。まだ始まってないどころか、全然準備出来てねぇっ!
その隙に会場のど真ん中ど正面に立って記念撮影。ちなみにステージ上の席はVIPです。焼けつくような日差し(午前9時半なのに)を避け、座って見下ろしながらボトルウォーター取り放題です。う~ん、ビップだなぁ。
これは太鼓です。最初は何なのか解りませんでしたが、中に入っている棒で正面を突くと、いわゆる部族的イメージなトン・トンという心地よい音が響きます。
実行委員会のトーライ族を捕まえて記念撮影。例の竹かごを常備していて、快く撮影に応じてくれました。いや、ホントは向こうから「撮れ・撮れ」と言ってきてくれたのでした。
がらんとした会場をうろついていると、しっかりした造りのテントからこっちこっちと手招きされました。行ってみるとどうやらチケット販売所のようで、一日パス50キナ、二日で100キナで販売していました。両日来る予定なのでツーデイパスを購入。約3,000円と高めです。
けど会場に入るのに誰にも注意されなかったし、このパス買わなくても余裕で観られます、きっと。しかし前述の通り、予算を獲得して祭を続けてもらうためにも、ここは腹を切りましょう!
ちなみにこれ持ってるとVIP席に座れるとのことでした。けど持ってなくても誰もチェックしないので座れます。しかもすぐ台から降りて部族目線で写真を撮りだしたので、VIP席にいることさえない!
ようやく人の動きが見え始めて、市長らしき人が開会宣言をしていました。
いざ、開幕!
女性たちが白い布を持ってドゥクドゥクを導いてきます。
因みにトゥブアンは顔が付いている精霊、ドゥクドゥクは顔のない精霊です。ドゥクドゥクはトゥブアンの子供で、全部メスなんだそうです。メスの脚にしては、ゴツイですね。
今度は男たちがトゥブアンを囲むようにしてやってきました。例の太鼓が鳴り響く中、叫んでみたり奇声を上げたりしてトランス状態にあるようです。
男が座って腕を掲げると、他の男は植物の茎のようなものでその腕を思い切り鞭打ちします。鞭も壊れんばかりのパワーです。みんな相当鍛えられた体つきをしているので、これは痛い!
今のところ、全てにおいて意味が解りません。いんですけどね。
ひとしきり暴れた後は、おそうじ。壊れた鞭を拾ってます。トランス状態にあっても、次に使う人が怪我しないようにね。
次は身体に赤を塗ったり顔に白を塗ったりした人たち―おそらく村のお偉いさん―がやってきて、白い粉末をトゥブアンの足元に撒きます。さっきの写真でも煙のようなものが見えていましたが、こちらは人が少ないので見え易いです。白い粉を撒くとトゥブアンの動きが活発になりました。トゥブアンの栄養かなにかか?
そして、長老たちがなにやら束を持ってきました。これはシェルマネーで、文字通り「貝のお金」です。
パプアの浜で獲れるナッサ貝という希少な貝(ラバウル周辺には無いそうです)を束ねると、この国ではお金として流通します。浜にお金が落ちているのと同じなので一生懸命拾いにきて儲けようとする人もいたそうです。人々は基本的には紙幣を使いますが、冠婚葬祭などの時にはシェルマネーを使います。専門の銀行もあり、キナとの両替ももちろん可能。
そのシェルマネーをどうするのかな?トゥブアンもゆさゆさ揺れながら座って成り行きを見守ります。
わくわく。
バシッ!
・・・シュール!
日本でいうお供えのようなものなのかな?こちらではトゥブアンに勢いよくシェルマネーをぶつけることが感謝を表すことなんだそうです。
その後はひとしきりトゥブアンやドゥクドゥクの激しい舞いを見続けてオープニングセレモニーが終わり、お昼の休憩に入ります。
休憩中もみなさん快く撮らせてくれました。万琵が持っているカメラが電池切れになってしまったので、我々は充電しに一旦ホテルに戻りました。
午後からはトーライ族ではない他の部族によるマスクショーです。ここからはハイライト紹介で。小さい画像をクリックすると切れてないフルサイズで見ることが出来ます。
全身に白い斑点をつけ、みんな違う仮面で踊ります。
この部族は出とちりしてました(笑)呆然として順番を待つ。
エミューかな?この体勢で踊り続けると腰を痛めそうです。
踊りはユルめの部族でしたが・・・
リードのおっさんは渋い。朗詠するように声を出し楽器を鳴らして何かをブバッと吐き出していました。
きのこのお化けのよう。それこそ水木しげる漫画に出てきそうですね。
最後はトゥブアンによる締めの舞いです。
トゥブアン、アップにするとこんな感じです。
シャッター切れる直前に帽子取られました(笑)
マスクフェスティバル昼の部はここまで!この日は夜になってから車で移動しバイニン族のファイヤーダンスを見にいくことになっています。楽しみ!
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この時滞在していた宿はコチラ⇒Taklam Lodge
パプアニューギニアにもスカイスキャナーで検索できます。エアニューギニの機内食は美味し!