絶景舞踏

西アフリカのビザに関する情報まとめ(ほぼ周辺諸国で取得)


この記事では、我々が実際に取得した西アフリカ諸国のビザに関する情報をまとめてあります。日本で予め取得していたビザはありません。全て現地か、周辺諸国で取得したものになります。

取得時期は主に2017年5月頃のため、現状と異なる部分があります。

まず、我々が西アフリカにおいてビザを取得した渡航先は、モロッコ、セネガル、ガンビア、ベナン、トーゴ、ブルキナファソ、コートジボワール、マリ、の8か国です。マリは、取得しただけで実際には行きませんでした。目次のおまけにあるガーナビザは、我々は取得していませんが、いくつかの国で挑戦しましたのでそちらも。旅の同行者で実際に取得した方の情報も書いておきます。

それぞれの国の項目で、ビザの取得時期、場所、取得条件、期間、シングルかマルチか、料金、その他注意事項をまとめておきます。

西アフリカはビザの取得要件や料金がコロコロ変わります。ビザだけでなくあらゆるものが安定していないので、まずそういう地域だという認識を持っていただくことが重要です。

そして、ビザは、訪れる国に入国を保証される通行手形ではないということも知っておく必要があります。

ビザを持って国境に着いて、初めて入国の交渉の場に立てる、入国させてねとお願い出来るんだという姿勢で臨むことが大切です。

入国させるかどうかは、その国のスタンプを捺す人の権限なのです。間違っても、ビザ持ってるんだから入国出来て当然でしょ、と不遜な態度をとったり怒ったり、ましてや怒鳴ったりなどは禁物です。実際に怒鳴り散らした人が過去にいて、以降日本人の入国を門前払いするようになった国境もあるそうです。将来の旅人のためにも、国境では温和な態度で臨むよう心がけてください。

また、西アフリカは黄熱病や髄膜炎、肝炎などの感染症リスクのある地域です。現地で安く予防接種を受けることが出来るものもありますが、現地の衛生観念を鑑みるに、日本で受けておくことをお勧めします。国境で注射打ちましたが、日本とやり方が違っていて怖いです。

各国のビザ以外の情報、旅情はそれぞれ旅記事で書いておきますので、そちらをご参考にしてください。

目次

モロッコのビザ

セネガルのビザ

ガンビアのビザ

ベナンのビザ

トーゴのビザ

ブルキナファソのビザ

コートジボワールのビザ

マリのビザ

おまけ、ガーナのビザ

モロッコのビザ(90日以内ならビザ不要)

ラクダ乗り

取得時期、場所:2017年4月12日、スペインアルヘシラスからモロッコタンジェへのジブラルタル海峡を渡る船上にて

取得条件:パスポートの有効期限3カ月以上、1ページの余白

期間、シングルorマルチ:90日間、入国都度審査のためシングルorマルチの対象外

料金:無料

その他の注意事項:フェリー内のプルマンシートエリアの一角に小さなデスクがあり、そこに乗客が並んでパスポートにスタンプを捺されていきます。我々は特に質問など受けず、すんなりと入国出来ました。モロッコは西アフリカにあって半分ヨーロッパのようなところがあるので、入国に困ることはないと考えられます。

セネガルのビザ(90日間ならビザ不要)

ダカールの果物屋

取得時期、場所:2017年5月7日、ダカール国際空港にて

取得条件:宿泊先の住所が分かっていること。パスポート有効期限が6カ月以上、見開き2ページ以上の余白

期間、シングルorマルチ:90日間、入国都度審査のためシングルorマルチの対象外

料金:無料

その他の注意事項:空港にいる職員は英語が通じず、フランス語しか話しません。

宿泊先に送迎を依頼していたため、住所を控えていなかったことを理由に20ユーロを請求されました。これは賄賂の請求だと思ったので(実際はどうなのか分からないけど)時間を掛けて調べ、先方が諦めて通っていいよと言うまで粘ったので支払わずに済みました。宿泊先情報は本当に必要なのか不明だが、控えておくに越したことはない。

また、セネガルを出国する航空券があると尚良し。

ちなみに、セネガルを出国する際にも宿泊していたところの住所を訊かれました。入国時にも同じことがあったので、予め住所を控えておきました。住所を提示したにも関わらずフランス語で書かれた意味不明な紙を見せてきて、さらに50ユーロと書かれた紙きれを見せてきました。流石にイラッとした万琵が英語話せる人いないかーと周りに声を掛けだしたところ、行け行けと通して貰えたので、こちらは確実に賄賂だったようです。

ガンビアのビザ

ガンビアワニ園

取得時期、場所:2017年5月23日、セネガルとの国境にて

取得条件:アライバルビザ。到着時に即時取得。パスポート有効期限3カ月以上が必要。

期間、シングルorマルチ:14日間、シングル。

料金:3,000ダラシ(当時のレートで約7,500円)

その他の注意事項:ガンビアを出国する際に賄賂を請求されたり薬を没収されたり、などの話が後を絶たないので、入国時に「ガンビア超楽しみ!」アピールをして国境職員の顔を覚えて仲良くなっておくといいです。出国時に仲良くなった職員を見つけて「楽しかった!良い国だね!」と言うと、笑顔で通してくれる可能性が高いので。

我々も荷物を開けられて常備薬を見られましたが「大事な薬だから。これないと死んじゃうかもしれない」と告げると無言で返してくれました。

ガンビアは西アフリカでは稀な、英語が公用語の国。

ベナンのビザ

ベナンのセットアップ

取得時期、場所:2017年5月29日、在ダカールベナン領事館

現在はオンライン取得e-visaになっています。ベナンevisa申請HP

以下は我々の取得当時の条件。現状とは大きく異なるので、昔はこうだったんだくらいに思っていただければ。もし既にダカールにいてこの記事を読んでいる方は、ベナン領事館で下の方法が通用するかもしれません。

取得条件:パスポート原本、顔写真2枚(同じもの2枚である必要はない。サイズ、撮影状況が異なってもOK)、ベナンでの滞在先の住所(証明の必要なし)

期間、シングルorマルチ:ビザ取得日から30日、シングル。ビザの有効期限は取得日からなので注意。翌日受け取り。

料金:35,000CFA(当時のレートで7,000円くらい)

その他の注意事項:西アフリカでは、新しい制度が完全に浸透するまで非常に時間が掛かるため、激変緩和措置といえばいいのか、旧制度が通用する可能性があります。在ダカールベナン領事館のビザ受付は、9時~13時と短かったので注意。

トーゴのビザ

トーゴの子供

取得時期、場所:2017年6月9日、在ベナントーゴ大使館(ベナンとトーゴは隣国)

取得条件:パスポート原本、顔写真2枚

期間、シングルorマルチ:取得日から一ヶ月、マルチ。ビザの有効期限は取得日からなので注意。即日受け取り。

料金:25,000CFA(当時のレートで約5,000円)

その他の注意事項:人のいいおっちゃんが簡単に発行してくれたので特にないと思われますが、建物自体が大使館然としておらず分かりづらいので、場所や特徴をよく調べてから行った方が良いでしょう。我々は宿からバイクタクシーで行ったのですが、バイタクの兄ちゃんは場所を知っていたのでスムーズに辿り着くことができました。

ビザ代をエコバンクという銀行で振り込む必要があります。金額や払込方法が変わる可能性があるので、まず大使館で訊いてからの方が無難。めんどくさいけど。

エコバンクの払込票
エコバンクの払込票

ブルキナファソのビザ

ブルキナファソのおっちゃん

取得時期、場所:2017年6月13日、在ベナンブルキナファソ大使館

取得条件:パスポート原本、顔写真2枚

期間、シングルorマルチ:取得日から3カ月、シングル。翌日受け取り。

料金:22,000CFA(当時のレートで約4,400円)

その他の注意事項:ベナンのブルキナファソ大使館は現地のバイクタクシーでも知らないほどマイナーな場所にあります。バイタク兄ちゃんが他の人に訊いてまわってようやく見つけるという次第だったので、建物の発見が一番の難所と言えるかもしれません。

コートジボワールのビザ

アビジャンの橋

取得時期、場所:2017年5月20日、在ダカールコートジボワール大使館

取得条件:コートジボワール大使への手紙(旅程表などを記載)、顔写真1枚、コートジボワールのホテルの住所が必要。ただ、ホテルはあまり重要ではないらしく、決めてないと言ったら「空欄でいいよ」と言われました。

大使館内で手紙用に白紙をもらうことが出来、待合ロビーのような場所で記入することも出来ます。我々が提出した大使への手紙は以下のようなフォームでした。

名前と申請日
ダカールでの滞在先名
親の名前
親の電話番号と住所
Excellency Ambassador,(フランス語で「大使殿」)
旅程表などの文面(下は内容例)文面は英語でOK。
「コートジボワールに行きたいのですが、ビザを持っていません。入国する交通機関はバスです。以下のプランで旅するので、コートジボワールのビザが必要です。コートジボワールには〇日間くらい滞在します。(我々は2週間くらいと書いたが、3か月分もらえた)」
日/月/年 ガンビア
  ″  セネガル
  ″  マリ
  ″  コートジボワール

手紙を提出したらハンコを捺されて戻ってくるので、それと申請書諸々の書類を提出します。我々の時は大使が忙しいのか、朝一で行ったにも関わらず、待ちに待たされ提出出来たのは16時程になっていました。

期間、シングルorマルチ:指定日から3カ月、マルチビザ

料金:33,000CFA(3営業日後取得)、急ぎの場合は85,000CFA(即日取得)

その他の注意事項:我々は駆け込みでコートジボワール大使館に行って、その場で親切に対応して貰えましたが、窓口担当者によってはめんどくさいからなのか、対応してもらえず、門前払いをくった例もあるので、数回訪れないとならない場合もあります。

我々は3営業日後取得にして土日挟んだため受け取りの日は週明けでした。待ちに待った受け取りの日、ビザを受け取った時、入国予定日が申請と違っていました。それを告げると「大使が今いないから、また申請しなおしだね」と言われてしまいました。そんなぁ、なんとかならないの?(すでに受け取りに5日間も待ったんだぞ、これ以上もう待ちたくない、と心の中で思っていました。)粘るとちょっと待ってと言ってどこかに消え、戻ってきたらなんと新しいビザを発行してくれました。

そういうファジーな良さがあるのも西アフリカならでは。あれ、即時発行するの?ていうか大使いたんでないの?という疑問は飲み込み、素直にビザを受け取るのでした。パスポートのページが一枚無駄になったけど。

我々はマリからコートジボワールに入る予定でいたのですが、実際にはマリ行きをやめてブルキナファソから入国しました。手紙の旅程表とは違うけれど問題はありません。

マリのビザ

取得時期、場所:2017年5月17日、在ダカールマリ大使館

取得条件:パスポート原本、旅の日程表、顔写真3枚

期間、シングルorマルチ:取得日から1カ月(翌月末までなので、取得日が月初だった場合は最大2カ月とも言える)、シングル

料金:25,000CFA(当時のレートで約5,000円)

その他の注意事項:我々は結局、ビザの取得だけで実際にマリには行ってはいません。マリは魅力ある観光地もあるようですが、ISの残党が潜んでいたり、そもそも治安の良くない地域がほぼ全域を占めているので、首都のバマコ以外は危険と思っていいようですが、旅人はドゴン族の村をよく目指します。

翌日受け取り。

おまけ、ガーナのビザ

基本的に、ガーナという国は大使館のある国の住民にしかガーナビザを発行しないように取り決めているらしいです。なので、日本人がガーナビザを正規ルートで取得するには、在日ガーナ大使館で取得する以外にない、ということになります。

我々はベナン、ブルキナファソ、コートジボワールにあるそれぞれのガーナ大使館で挑戦しました。コートジボワールは挑戦する前に諸事情で申請しなかったのですが、結果としてはガーナのビザを取得することは出来ませんでした。

我々はその後コートジボワールからヨーロッパに飛びましたが、その時旅に同行していた方が残って、コートジボワールで取得できたとのことです。

ビザ申請に必要なものの一覧をベナンでもらえたのでその手引書の写真を添付しておきます。写真をクリックすると別ウィンドウで開くので拡大出来ます。

ガーナビザの手引き
ガーナビザの手引き

その申請書によると、観光ビザを取得するには以下の書類が必要になります。

4枚の申請書と4枚の顔写真、ガーナ在住の人による紹介状、およびその人のガーナ在住証明書、ガーナの宿泊先の予約証明書

我々は紹介状とその在住証明書を用意することが出来なかったので、ベナンとコートジボワールで日本大使館に行って推薦書みたいなレターを作ってもらいました。勿論ブルキナファソでも日本大使館でレターをもらう事は出来ます。作成してもらった日本大使館のレターと申請書、写真、ブッキングドットコムの予約確認書を持ち、さらにガーナでの旅程表を作成して挑んでみました。

ベナンのガーナ大使館では用意したものの他に、コートジボワールのビザを持っていることを伝え、トーゴからガーナに入りコートジボワールに抜けたいんだと説得し、2回窓口に赴き話をしましたが、結局門前払いでした。

ブルキナファソのガーナ大使館ではベナンのガーナ大使館の人よりも厳しい感じで、何言ってもダメだよ、みたいな感じであっさり断られました。

旅人の中にはブルキナファソで取ったという情報がありましたが、実際取った人は何年も前で、尚且つ、なぜガーナに行きたいのかという文章を長々と書き何度も説得したようです。

我々が去った後、コートジボワールでビザを取得できた方の話によると、粘り強く何度も顔を出してお願いしたからだろう、とのことだったので、本当にそういう理由で発行してもらえるケースもあるようです。

熱意が伝われば、取れるのかもしれません。

日本にいる間にガーナに旅行することが決まっているのなら、日本で取得するのが確実ですね。

まとめ

どの国も、一応の規程はあるものの、すべて規程通りに動いているワケではありません。なるべく必要書類を揃えることは前提として、先方がそこから逸脱してきても怒らず、柔軟に対応することが大切だと思います。

そして、ビザ発行に数日を要する場合が殆どなので、旅の予定には十分な余裕をもってください。

記事の冒頭部分にも書きましたが、一番重要なのは、ビザを発行してもらってから、国境で、その地に踏み入れさせてもらう、旅行させてもらうという心意気だと思います。

国境で怒鳴り散らした人が入国拒否になり、さらにはその後の日本人の旅人の入国も出来なくなったケースがあるらしいので、そこはたとえ腹が立っても極力温和に、冷静に対応していただければと思います。


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