数えきれない世にも不気味な虫たちは、どこから入ってきているのか不明だが、退治しても退治してもいつの間にか部屋に入ってきた。こんな状態で寝られるはずもなく、ベッドも居心地が悪くて私は全然快眠出来なかった。
朝起きると、勝手に入ってきて勝手に死んでいった大量の死骸があり、しかもなぜか塊になって死んでいた。
超気持ち悪い・・・
昨日チャーターを頼んだトゥクトゥクのドライバーのヴィノンとは朝の9時に宿の近くで待ち合わせ。
朝から調子が悪かった私はヴィノンに頼んで丸一日の行程を半分に省略してもらうことにした。丸一日の工程の場合はキャンディ湖や仏歯寺、ボタニカルガーデン、紅茶博物館や象の孤児院など盛りだくさんに連れて行ってくれるとの事だったのだが、紅茶博物館とスパイスガーデンにいってもらうことにした。
まず連れていってくれたのは、キャンディの町を一望できるスポット。凄い緑豊かだ。キャンディは聖地でもある。仏歯寺は有名で数年に一度仏歯が公開されるとのこと。この時は仏歯寺には行かなかったけれど、公開する時は是非とも観に行きたい。
スリランカは地域で色んな顔があるんだと説明してくれた。日本と同じ島国。海もあれば山もある。気候も地域で全く違う。
よく色んな国で日本はビルが沢山そびえ立っている所ばかりだと思われがちだが、日本にもこういった緑豊かなところもあるんだよと説明した。
北海道の8割程の面積のスリランカ。この時期は雨季に位置する時期だった。昨日着いた時も雨だったが、この日もどんよりと雲が厚く、いつ雨が降ってもおかしくない様子。
スリランカの人々も日本の車をよく乗ってくれている。みんなローンを組んで中古車を買うらしい。それでも日本の車の方が信用があり良いのだという。
次の目的地に行く途中、いきなり大きな象が!荷台に自分で歩いて入っていく。この大きな象が本気だしたら、このトラックもドーン!とひっくり返すことが出来そうに思う。
いきなり町なかに象がいる光景はなんだか現実離れした気分になった。
次に来たのはスパイスファクトリー。ここにはいろんな種類のアーユルベーダに使う商品が置いてある。私たちは咳止めシロップとアロエクリームを買った。
天然素材らしい。結構値が張るので買うのを悩んでいたら、安くしてくれて、おまけにバニラシロップの小さな瓶もくれた。全部で5000スリランカルピ―。
お客さんは白人さんが多く、物凄い量をどっさり買っているひともいる。私たちみたいに値切ることもせず、大人買いだ!
後日談だが、飛行機に乗ったときに瓶に入った咳止めシロップはいつの間にかカバンの中で割れてしまっていて酷い有様になっていた(涙)
まだ一滴も飲んでいないのに~!この経験から私たちは瓶製の物は買わずにいる。
はたまたアロエクリームは中身を開けてみたらなんとも言えない蛍光色の緑色のクリームが入っていて、腕に塗ってみるとなんだかキラキラしちゃう。
この緑はなんの緑なのだろう。
え~オーガニックで天然のものしか入ってないって言ってなかった?!この蛍光、絶対違うでしょ~。これもムラケンが頑張って使うと言っていたが、そのうちやっぱりあまりよくなくて捨てるハメになっていしまった。
オーガニック、アーユルベーダ、とかなんだか体に良さそうとか思って買ってみたものの、全く使えずに終わってしまった品物たち。悲しい・・・。
ちなみにここはアーユルベーダの原料になるものを栽培していて、ショップの前は庭みたいになっている。これはコーヒーの実だ。コーヒーが最初こんな実と知ったときはびっくりしたものだ。
なぜかパイナップルもあった。パイナップルにおいてもこんな風に直立した形で実がなると初めて知ったときはびっくりした。
カカオの実もあった。この中身がチョコレートの原料だと思うとこれまた不思議だ。
今度はチョコレート工場とか行ってみたいな。カカオも実からチョコレートになる行程は面白そうだ。
この後、咳止めシロップが割れることや、クリームが変な色をしているなんてことを知らない私たちは大満足でこのショップを去るのだった。
次に来たのはティーファクトリー。ここは小さめの工場で、一階で紅茶の試飲も楽しめる。
紅茶を作る過程は、①萎凋(茶葉の水分をある程度抜く工程)→②揉捻(茶葉に撚れを与えて茶葉の組織を破壊し発酵を促すこと)→③玉解き・振るい分け(揉捻で茶葉が塊になるので、それをほどいて酸化発酵をまた促す)→④発酵→⑤乾燥
これが摘み取られる前の茶葉だ。ここでは全て手作業で摘み取られる。私は紅茶も緑茶も同じ葉っぱだということを恥ずかしながら知らなかった。
行程は細かくは違うらしいが、一番の違いは発酵させるかさせないかによるのだという。
ここの工場はとても古い機械を使っている。この機械は1924年もので②の揉捻の工程で使われる。
発酵により緑色の茶葉が赤褐色の紅茶の色に変化するのだ。
ここの工場、なんと⑤の乾燥の工程では薪を使っているそう。
よくスーパーとかで安く売っている茶葉は本当に屑みたいなものらしい…。どのくらい発酵させるか、茶葉の大きさでも値段は変わってくるらしい。
もの凄く美人なスタッフさん二人に丁寧に説明してもらった後は試飲の紅茶で一息した。香り高くてとても美味しかった。
売店のスタッフさんも美人だったし、服装もすごく綺麗だったので、「みんなすごく綺麗!」と言ったらすごく上機嫌になっていた(笑)
丸一日の工程を半日にしてもらったので、この2カ所で私としては満足だったのだが、調子が悪いならアーユルベーダのマッサージがいいぞと一カ所のお店に連れて行ってくれた。
ローカルの人たちが行くようなところが良いと言ったが連れてきてくれたところは、メニューにも日本語が載っちゃっているような観光客向けの所だった。
一応値段をチェックしてみたところ普通のオイルのマッサージで一時間3000円くらいだった。確かに日本と比べると安いが、それでも高いなと思った私たちは、やめておくと言うと一時間2000円くらいまで値引きしてくれた。
紹介してくれたヴィノンには悪いが、それでもいいやといって断ったが。
ヴィノンはケチな日本人もいるもんだと思っただろう。
その後昼食が食べられる中心地の方まで送ってもらって、ここでヴィノンともお別れとお礼を言うと、夜のキャンディダンスを見たいなら、またここに迎えに来てあげるよと言ってくれた。キャンディダンスとはスリランカを代表する芸能だ。これに関しては絶対みたいと思っていた。
お金はいらないよと言ってくれる。それは有り難いとまたヴィノンに頼むことにした。
昼食に食べたのはスリランカカレーとチョ―ミン。ボリューム満点!
まだ時間があったので、近くにあったナチュラルコーヒーという日本人経営のカフェに入ってみた。
中はクーラーが利いていて、外の喧騒が嘘みたいに居心地が良い空間が広がっていた。
コーヒーは高めだがとても美味しい。スタッフの接客もちゃんと教育されている。おススメのお店!
そして待ち合わせの時間。外に出てみると、なんと凄い雨が降っていた!
本当にヴィノンが迎えに来てくれて助かった。だが、その雨は不思議なことにキャンディダンスが観れる会場に着い瞬間、カラッと晴れてしまった!ヴィノンは面白いことがあるもんだと喜んでいた。
キャンディでは主に3カ所でダンスを見ることが出来る。私たちが行ったのはキャンディ芸術協会というところ。湖に面している所だ。
一人1000ルピー。上演時間は約1時間で17時開演だ。
またもやここでヴィノンが帰りも送ってあげるよと言ってくれた。帰りは宿までは歩けない距離ではなかったが、暗くなっているので頼むことにした。
幕開けはやっぱり音楽から。肩から掛けた横長の太鼓を激しく叩く。
始めの踊りは女性たちだけの踊り。これはプージャー・ナトゥマという踊りでブッダに祈りを捧げる踊りなのだそう。ウブドのバリ舞踊でもそうだったが、はじめはやっぱり女性による祈りのダンスから始まる。
バリのウブドの舞踊とは全然違うが、躍動感に飛んでいて尚且つ優雅でとても面白かった。
仮面を被った踊りもある。ラクッシャ・ナトゥマという踊りで悪魔祓いの踊りらしい。髪を持ちながら腰をかがめて頭をぐるぐると激しく振り回す踊りだ。この仮面は相当重いらしく、見た目よりもかなり大変だと思う。
この踊り子はバナナマンの日村に雰囲気が凄く似ていた。一度それに気づくともう日村としか思えない。
他にも、孔雀をイメージした衣装をきた女性の踊りでマユラ・ナトゥマというものや、戦場に向かう勇士を表現した男性の踊りでバンゼル・ナトゥマ(左から2番目の男性)。ファイアーダンスで手に松明を持ちながらの踊りギニ・シシーラ(一番右の男性)、豊作を祝う伝統的な踊りのグル・ナトゥマもある。
途中停電になったが、音楽を奏でる人々が太鼓の代わりに松明を持って踊り子を照らしていたときの雰囲気はすごく神秘的で良かった。
キャンディに来たら、是非見て欲しいひとつだ。
終演後ヴィノンのトゥクトゥクで宿に約束通り送ってもらった。半日で1000ルピ―の約束をしていたが、随分と長く付き合ってくれたので多めに渡そうとすると、いい、いいと言って1000ルピ―だけ受け取った。なんだかそれでは悪い気がして、ティーファクトリーで買った紅茶をおすそ分けしようとしたが、スリランカを楽しんでくれたらそれでいいと言って受け取らなかった。
トゥクトゥクを使って一日観光地を周るとか、あんまりしないことだけど、たまにはこういった観光も良いなと思った。
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