絶景舞踏

旅記事4 ~洗濯機で立往生


宿のランドリーを借りて洗濯しようということで、行ってみたら洗濯4ドル、乾燥機4ドルとなっていた。高い。

コインがなかったから、宿のおばちゃんに両替してもらい(おばちゃん良い人だけど、ちょっと怖い)いざ使おうと、洗濯機を眺めるも、だんだん目がテンになった。

なんだこれ・・・

どうやったら開始させることができるのか分からないのだ。説明とやらの絵をみても、よくわからなかった。

恐る恐る、コインをいれるようなところにいれてみる・・・・で?!どうやればいいの?!

ムラケンとああでもないこうでもないと相談すること5分。

洗濯機を前にして、おたおたする。

相談の結果、ガチャンと押し込むんじゃないという、いたって簡単な結論を導き出し、勇気を振り絞り押し込んでみた!

ドキドキ。

見事にコインは中に入り、カランカランと中に吸いこまれいった。

あ!入った!!

・・・・・・・30秒・・・・・・・・・・・・1分・・・・・・・・

喜んだのもつかの間。

洗濯機は静寂を保ったままだった。

・・・・。

「動かないね。」

「うん。動かないね」

・・・・・・・・・・。

いろいろ洗濯機をいじってみるも、動かず。

途中、ちょっと薬中らしき(憶測)男性が通りかかったから、聞いてみた。

私たちがやった通りのことを、やってみせてくれた。そうやったんだよっていったが、理解していないと勘違いしたらしく、何度も何度も、こうやるんだよ、と説明してくれた。

コインを入れて、ガシャン

コインを入れて、ガシャン

コインを・・・・・

最後はお互い首をかしげることしかできず、宿のおばちゃんに聞いてみることになった。

おばちゃんに、すみませんと声をかけると、にこっと笑って、どうした?と優しくきいてくれたから、なんだ、このおばちゃん怖くないじゃんと思ったが、洗濯機が動かないといった瞬間、形相が変わり眉間にしわが寄った。

おお、なんてわかりやすい表情の変化だ!

形相の変化を頭の中で反復している間に、動かないはずがないだろう、と言いながら、おばちゃんはどしどしとランドリーに向かって行った。

なんで動かないの?とぶつぶつ言いながら、おばちゃんは吸い込まれたコインを出してくれて、やってみせてくれた。

コインを入れて、ガシャン

でしょ!そうやるでしょ!でもうごかなっっ

ゴー!!!

洗濯機が勢いよく動き出した。

ええええええ!

ちゃんと動くじゃない!という顔をして、おばちゃんは去っていった。

あれー!!!!!

 

私たちとおばちゃんの操作方法の違いを考察するに、がちゃんとコインをいれる時に躊躇せずに、力いっぱいガチャン!!

とやるということに結論づいた。

 

ああ、よかったねー。

 

30分後、洗濯が終わり中からものを出すも、脱水が出来ておらずびしゃびしゃだった。

いやいや、乾燥機がありますから。

あれ、コイン足りないし。

最初から併せて変えてもらえばいいものの、・・・コインが足りなかった。

なんであの時乾燥機用のコインが足りないことに気づかなかったのだろう。

無償に、がっかりだ。

再度おばちゃんにコインにかえてもらおうと探すも、おばちゃんは帰宅した後で、レセプションには、誰もおらず。

 

結局私たちはその日、部屋の二段ベッドの上の段にロープを通して、一つ一つ洗濯ものの水を絞っては干していくはめになった。

ぽたっ、ぽたっ、としずくがたれる音。

持ってきたものが役に立つことだけが、救いだった。

 

次の日無事に乾燥機を使うことが出来た。

ほかほかになった洗濯ものを手にしたときは、

ああ、乾燥機、万歳

と思った。