この記事は、2017年4月28日~30日までの出来事です。
エッサウィラは居心地のいい町だったので、モロッコに入って急ピッチで移動を続けてきた(と感じている)我々は、この町にもう少し滞在することにしました。
最初に2泊とっていたエッサウィラユースホステル、内装工事中のようでちょっと落ち着かない状態であったために、次は他の宿にしようと探していました。
いつも利用しているブッキングドットコムやアゴダ、エクスペディアなどの宿泊施設予約サイトを見ると我々の予算内に収まりそうなのが見当たらなかったため、メディナ内を歩いて探してみることに。
するとガイドを名乗る人に「何か探してるのか?」と訊かれたので安くていい宿を探していることと予算を伝えると即答で、よっしゃ俺についてこい!
モロッコだから、そんなすぐに良い宿が見つかることもないだろうし、即答されるのもきな臭い、けどもしかしたら掘り出し物的な宿があるかもしれないと思いつつ、まだ日も高いのでついていってみることにしました。
メディナの中でもツーリストエリアと言われる、比較的綺麗な通りを歩き、途中で路地に入ります。路地、濡れてる。雨降ったワケでもないのに。
怪しさ105%になったところでひとつのドアを開け、案内された場所は、思っていた以上に綺麗なところでした。
この宿はアル・ジャミルという名前のリヤドスタイルで、これまた若干狭いのを除けば、部屋は綺麗だし静かだし日当たり良好で、申し分ないところでした。
交渉して一泊150ディルハム(1,650円くらい)にしてもらうことができました。流石に朝食は付いていません。
たまには路上で出会うガイドについていってみるのもいいかもしれませんね。特にエッサウィラは現地住民よりも外国人旅行者の方が多いんじゃないかというくらい旅行者が多く、西洋資本も相当入っていると思われるので、他の町と比べてガイドの信頼性は高いのかもしれません。
最初2泊の予定でいましたが、ここの居心地が良かったので結局4泊しました。
というのが前日の話。翌朝ユースホステルをチェックアウトした我々はスーツケースを引きずりアル・ジャミルにやってきました。
お腹が空いていたので何か外で調達しましょう。
エッサウィラではこういう風景に事欠きません。猫の習性なのか、上の座面が暑いのか、しばらく眺めていたいけど、お腹を空かせた万琵が待っているので。
ローカル向け食堂でおばちゃんがパンを焼いています。後ろでチキングリルが回転しているのを見るに、色々挟んで食べるのかな、と思いつつ、なにも挟まないパンを購入。6Pチーズみたいなのも一緒に買いました。
焼き立てパンにチーズをつけて食べるのも美味しいですよ。安いし。
サブウェイのように野菜を指さしで詰めてくれるサンドイッチ屋もあるし、イスラム圏の定番シュワルマもあります。モロッコでは相変わらずトマトが載ってたりします。
エッサウィラのメディナもフェズなどの古都同様、路地が複雑に入り組んでいます。要塞に囲まれたメディナは、その内側という限られた空間に建物を密集させているので、多くが3階建かそれ以上の高さになっています。
そのため路地は日光が入る時間も少なく、旅行者の我々からするといささか不穏な空気に感じられるところもあります。が、多くは人々の生活の場であり、特に観光地になっている路地はこのように掃除もなされ、カラフルな土産物が並び、モロッコらしさを感じられる路になっています。
こちらは要塞の壁に沿った路地。街灯がカラフルで楽しい。ひょんなところにカフェやレストランがあったりします。
翌日は午後から、マラケシュのバスターミナルで初めて会った時にエッサウィラで少し働くと言っていた、はるみちゃんに会いました。
ひとまずお昼ご飯。前に行ったビーガン料理の店にて。
プルーンとアプリコットのタジン鍋。タジンといえば煮込み料理のカテゴリーでしょっぱいイメージでしたが、なるほどこういう料理もあるわけか。甘酸っぱくて、思った以上にパンに合います。お昼ご飯というよりは、僕にとってはおやつです。付け合わせのオリーブも進みます。
はるみちゃんは以前にもエッサウィラに来たことがあるらしく、その時に出会ったというミュージシャンがいる楽器工房に連れて行ってくれました。
主に弦楽器と打楽器が、所狭しとならんでいます。
ベースのような音の鳴る楽器を弾き語りで演奏してくれました。
これは過去のイベントのポスターでしたが、こんな雰囲気で演奏が行われるようです。
その後入ったシディ・ムハンマド・ベン・アブダラー博物館。ひとり10ディルハム。建物自体が美しく価値のあるものだそうで、展示はエッサウィラの工芸品になっています。
さて、そうこうしている間にたこ焼き屋の開店時間になりました。
たこ焼きを焼くアナスさん。日本人の旅人まつのすけさんという方が2012年に彼にレシピや道具を与え、始まったというエッサウィラのたこ焼き屋。身一つで外国に日本文化を伝えること、それも凄いことですし、受け継いだレシピをずっと継続していることもとても凄いことだと思います。この場所で続けられているということは、モロッコ人だけでなく、外国人旅行者にもたこ焼きが受け入れられているということなのでしょうね。
モロッコ人はたこを食べないからか、たこが入荷することは殆どないそうです。代わりの具材としてエビやサーモン、カニなどがあります。まぁ、カニも滅多に無いらしいのですが。
ひとつ4ディルハム。味は、ちゃんとたこ焼きです!出汁も利いていて、美味し懐かしい味!周辺の物価と比べてもバランスのとれた価格だと思われます(エッサウィラはモロッコ内では比較的物価が高めです)。他のお客さんも来ていました。たこ焼き好きの万琵も大喜び。
翌日。この日は日曜日でした。旧市街の外では日曜に路上マーケットが開かれるとのことで、様子を見てみることに。
服のワゴンセール。ワゴンないけど。ごちゃごちゃしています。
新鮮な野菜も手に入ります。果物屋で熟れたマンゴーとラズベリーを購入しました。合計19ディルハム。ビタミン摂っとかないとね。
ジャンク品もあります。シンガポールのリトルインディアの泥棒市を彷彿とさせます。
日本の小説やガイドブックもありました。過去の旅行者が宿に置いていったものがこういう形で並ぶのでしょう。そんなことを考えるとこの本の顛末が知りたくなってきます。ちょっとしたロマンですね。活字に飢えた日本人旅行者が買うのでしょうか、日本語を勉強している外国人が買うのでしょうか、それとも薪になってしまうのでしょうか。我々は、買いません。だってどこにあった物だか分かんないし、汚いじゃん。薪に一票。
歩いた先にスーパーマーケットがあったので、様子を見てみました。
イワシのオイル漬けやツナ缶の棚。タジン鍋を持つお姉さんの絵は、モロッコならでは。
ワサビやしょうゆも売っていました。乾燥シイタケやワカメ、海苔も売っていたので、日本酒があれば日本食も作れそうです。
お酒はあまり飲まない我々ですが、お茶とコーヒーはやたら飲むので欠かせない一品。部屋で、持参しているマルチクッカーでお湯を沸かして飲めば、カフェで飲むより断然安いです。コーヒー一杯0,5ディルハム、紅茶一杯1ディルハム。水と電気は宿泊代に込みです。
旧市街の外はまだまだこのような荒れた場所があります。定期的に綺麗にされているのは観光地化された場所に限られているようですね。
北大西洋を眺めて帰ります。ここがアフリカ大陸なのだと、改めて実感。
ビーガン料理屋の上階にあったレストランで昼食。若手のトリオみたいな名前、レモンチキンタジン。40ディルハム。よく煮込んであるレモンは皮も食べられます。タジン鍋は本当にハズレが少ないです。
天気がいいのでテラス席で食事。内装はとてもカラフルで、美味しい料理同様、楽しい気分にさせてくれます。
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この時滞在していた宿はコチラ⇒アル・ジャミル