この記事は、2017年6月11日の出来事です。
ブードゥー教といえばゾンビが有名ですが、ゾンビを作るのは呪術師による呪いです。ゾンビも呪いもまるで映画の中の出来事のようですが、ブードゥー教が信じられている西アフリカやハイチでは、人々の生活やものの考え方などに深く浸透しています。
そのため、呪術に使う用具などを売っている市場も当然存在しています。
一方でスマホを持っている人も多いし、合理的な社会生活を営んでいる人もいるところが面白いところでもあります。
ブードゥー教のマルシェ(市場)は隣国トーゴの方が有名ですがベナンの首都コトヌーにもあります。
滞在中の宿ココティエコトヌーで朝食をとっていると、膝に可愛いゲストがやってきました。
西アフリカでよく発見される、レインボーアガマの子供でしょうか。膝が汚くてスイマセンが。ペタペタと膝の上を素早く歩く様は、トカゲが軽すぎるからか、皮膚の触覚では感知できません。
フィリピンで大きなヤモリを最初に見てから色々な熱帯地方で爬虫類を見かけてきましたが、爬虫類も見慣れると可愛いもんですね。
さてブードゥーマルシェがあるところはコトヌー市内のダントッパ(Dantokpa)という市場です。グランマルシェ(大市場)とも言われるところです。
折角市場に行くので、万琵の擦り切れそうなスパッツを新調することにします。服くらい売ってるでしょ。
ダントッパはココティエコトヌーから6,5キロくらいの場所にあり、そこまでの移動はバイクタクシーを利用しました。黄色いポロシャツを着ている人が公式のバイクタクシーです。流しのバイタク2、3人に交渉し2台で400セーファ(約80円)で行ってくれることに。
バイクを降ろされた所は大きな道路沿い。奥に橋が見えていたので、川の手前であることは何となく分かります。予め地図で調べていた地形に似ていたので間違いなさそう。
「マルシェはあっちね」を指さされたところは明らかなボロ家が密集する地帯。うーむ、さすがベナン。
歩道橋を渡ってマルシェに行きます。右手のバラック群がダントッパ市場です。
ブードゥー教の呪具を売っているところが目的ではありますが、せっかくなので色々と見てみます。
入ってすぐのところは道も広く小ざっぱりとしています。グレープフルーツや、お馴染みのパイナップルも売られています。
万琵お目当ての服屋さん。ちょっとイメージしてたのと違うけど。スパッツあるかな?ちなみにフランス語でのズボンはパンタロンです。
しかしこの売り子さん、いかに洋服を沢山持ち歩くかを考案したのでしょう、かなりの量の洋服を器用に頭で支えています。ユニークな見た目です。かなりの重量と思われますが、さすがこっちの人はバランス感覚に長けている、涼しい顔で移動洋服屋さんです。
実際はもっと沢山の洋服を頭から垂らしている人もいて、このスタイルが定着しているみたいです。このスタイルは日本人の発想にはないかも(笑)
見つけたスパッツの値段を聞くと1,000セーファ(約200円)。安いじゃん!と万琵が購入していましたが、多分盛られてるよなぁ。お互いに満足しているので良しとして、写真を撮らせてもらえるか頼んだところ、顔を隠されました。シャイな人でした。
深くまで入っていくと道が狭くなり、生活排水も路上に捨てるので常に泥が濡れていてぐちゃぐちゃです。なおかつ泥が腐っていて腐臭が立ちこめています。こういう場所で生鮮食品を売っていたり料理をしていたり食事をとったりしています。
まぁ、人間慣れてしまうものだけど、正直ちょっとキツイでしょ。
ブードゥーマルシェは市場の南東部で発見しました。
近づくにつれ干物臭というか漢方臭というか、独特な匂いがしてきて人も少なくなり、雰囲気がガラッと変わるので分かりやすいと思います。
そしていきなりの登場。キーと牙を剥いた様々な動物の頭の干物がわんさか。
猿、ヤギ、犬、イノシシ、カメレオン、コウモリ、ヘビ、ハイエナ?ヤマアラシの針?など種類も豊富です。
興味本位で来てみたものの、この世に恨みを残していそうな表情のしゃれこうべたちの雰囲気と匂いとで、早々に立ち去りたい気分に。
楽しそうな表情をしている個体は、ひとつもないですよね。
丑の刻参りも人に見られると自分に返ってくると言われるように、ブードゥー教の呪術も人に見られると効力に影響が出るという風に考えられているのか否かは分かりませんが、無断で写真を撮ると怒られるらしいのです。店員に許可を求めると大体ノーと言われるか高いお金を要求してくるかです。
やはり呪具のように負の感情の触媒となるものは、土地や文化が違っても秘め事なのでしょう。
ちなみに観光客でも話術に長けている可愛い女性だと、お金も要求されず写真とり放題みたいですが、万琵にそういった能力はないようです(笑)
とかいいつつちょっと向こう向いている時に隠し撮り、なんてこともやってましたが、ちょっとお金払って快くオッケーくれた店があったので有り難く撮影。
お金で解決する部分は、西アフリカでは沢山あります。
撮影快諾どころか「ちょっと中入っておいで」など言われるので、相当怪しいと思いながらも招かれるまま店内に。もう帰りたいと思ってたんだけど。
店内、というよりは、なぜここに招き入れた?と思うくらいの倉庫兼居住空間みたいになっていて、壁にはなんらかの絵が。おじさんの肖像はどことなくキリストっぽいし十字架も描かれていますが、他の絵とか謎の数字とか置いてある人形とかが不気味すぎる・・・壁掛けの時計だけが理解出来てちょっと安心。そろそろお昼だね。キリストらしき人物と跪いている人のサイズ差が大豪院邪鬼の登場シーンくらいあります。
お守りを見せてくれました。買いませんけど。素材もわかんないし、紐でグルグル巻きとか、お守り感が薄い!
謎の容器。まったくの謎。
他にも色々とありましたが、環境、文化、信仰の違いは人間にとって大いに影響していて、人間のユニークさと、ある意味愚かさ、を改めて感じた場所になりました。まぁそうやって深く考えると、なんでもくだらなく思えてもくるのですが。
ブードゥーエリアを抜けると用水路に出ました。言わずもがな、臭くて汚いです。
疲れてきたので再びバイタクに乗ってスーパーに寄って帰りましょう。宿から15分くらいの所にあって我々がよくお世話になったエレバンというスーパーまで、バイタクで2台で500セーファ。100円くらい。
やっぱりスパッツ高くない?(笑)
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