絶景舞踏

旅記事373 旅中の引きこもり


この記事は2017年6月16日~21日の出来事です。

 

ベナンからトーゴのロメに無事に到着してからというもの、私は糸の切れたタコのような状態で、クーラーの利いた部屋に一週間ばかり引きこもりに入った。

三日間くらいは、起きている時間の方が少なくて、コンコンと眠り続けた。その後の期間もベットから出るのはバスルームを使う時くらいで、現実逃避するかのように、映画や小説を読んで過ごした。

日本にいた時もたまにひきこもりになって一切外に出ることなく、ベットでずっと過ごす期間があったりしたので、ムラケンにとってはめんどくさい事だろうが、私のこういった状態には慣れている。

ムラケンが買ってきてくれた食事を食べた。

疲れるということは、日本で日常の生活を送っていようが、夢が現実になった世界一周中であろうが、起こり得ることで、この時の私はなんだかとっても疲れていた。

というか、旅が現実になったところで、その旅が長くなればなるほど非日常だったものが日常に変わり、当たり前になり、有り難さが薄れしまうのは私の性格上なのか、人間の特徴なのか。

全員にあてはまることではないだろうから、私の性格上が強いのかもしれない。

が、長旅の旅人において、こういった無気力になってしまう経験がある人も少なからずあるのではないかと思う。

疲れた要因としては、一つには絞ることは出来ない。沢山あるが大きく分けて3つあった。

一つは単純に身体の疲れ。

ベナンがとっても暑くてエアコンなしのドミトリー部屋で毎日寝不足の日々が続いたことが多いに影響している。

実際寝る前にシャワーを浴びても、朝起きたらすでに体が汗でまみれ、起きてすぐシャワーを浴びてもすぐにベタベタになってしまうのはキツかった。

身体の疲れはダイレクトに精神にも影響する。

でもそんな事はすぐに慣れてしまう自分もある。

二つめは、久しぶりに人との共同生活をしたこと。

いつもはどんなにドミトリー部屋が安くても、個室をチョイスしていたが、今回はドミトリー部屋。

友達だから大丈夫だと思っていたが、やっぱり駄目だったみたい。

ムラケンは大学時代に寮を経験しているので、人と同じ部屋にいることには慣れているようだったが、私はどうしてもドミトリー部屋に慣れることが出来なかった。

私はどちらかというと、人と時間を長く共にするのは苦手なのだ。

今となっちゃ、ムラケンと一緒にいることが当たり前になったが、夫といえど、旅の最初の頃はキツイことが多かった。

結婚して一緒に生活を始めた夫婦だって、一緒に自営業をしているとかでない限り、一日ず~~っと一緒にいることなんて経験しないと思う。

日本で一緒に生活していたって、お互いの仕事があり付き合いがあり、四六時中一緒にいることなんてそうそうないはずだ。

私とムラケン、旅中は、ず~~と一緒だった。

なんの不自由もなく夫婦共にず~と一緒だった旅人さんがいたのなら、是非とも話を聞いてみたいと思う。

旅中で出会った夫婦の多くは、時には行動を別々にして自分の時間をとっている人を多く見かけた。

それは普通に考えてとても良いことだと思う。

だが、私たちの場合はなぜか行動を別々にとるということを結局しなかった。

それはムラケンが頑なに別行動を拒んだこともあるのだが、今は、意地でも同じものを見続けたことは良かったと思っている。

まぁ、夫婦関係は山あり谷ありで今でも継続されている(笑)

夫でさえキツイ時もあったのだから、他人なら尚更だ。

 

三つ目の要因は、実際アフリカの旅の過酷さに疲れていた。

やっぱり、アフリカの旅は、他の大陸とは違うのだ。私たちは西アフリカのいくつかの国しか結局訪れていないので、東アフリカを旅した人とでも感覚はずれてくると思うが、なかなかアフリカの旅は大変な事が多い。

だから、ベナンで出会いトーゴで再会したアフリカの達人、ホンダさんがどれだけの過酷さを味わいそれを突破してきたのかと想像すると、本当に感服する。

 

この時の私の引きこもりは、所謂エネルギー充電の期間。

旅をするには、まずはエネルギーが必要なのだ。

折角旅に出ているのに、勿体ないと理解できない人もいると思う。

でも今思うと、旅というものが非日常から日常に変わったという体験自体がとっても貴重なんだと思う。

ロメでの食事

トーゴの食事はベナンとそれほど変わるところはない。

アフリカで特徴的なのは、そうめんみたいに細いパスタがよく使われていること。

これはなかなか美味しくて、長いパスタを茹でる前にばきっと折って、お湯に投入する。細いから茹で上がるのも早くて良い。

揚げられた素朴な芋も、とっても美味しい。

お米バージョン

パスタがお米の時もあるが、かけられるソースは激辛のことが多い。

 

クッキー
クッキー

透明のプラスチックの入れ物に無造作に積み上げられた駄菓子のようなお菓子は、普通に売られているお菓子よりもぐんと安く購入できる。味もそれなりなんだけどね(笑)

ピーナッツとお酒
ピーナッツとお酒

ペットボトルに入れられた大量のピーナッツ、これでもかというくらいぎっしり詰まっていて1450セーファ(290円くらい)。ちなみに部屋にピーナッツをそのまま置いておくと、部屋を掃除してくれるスタッフさんにおねだりされる事多し(笑)

ナッツの中でピーナッツが一番リーズナブル。

 

キャッサバのチップス
キャッサバのチップス

これはキャッサバのチップス。ポテトチップスよりも固くて、噛んでいると少しねばねばしてくる。サツマイモチップスよりもあっさりした味。

美味しい。

 

引きこもりの食事はこんな感じ。

引きこもりができるのも、食事を買ってきてくれる人がいるから出来るんだね~~。

しかし、エアコンていうのは、本当に快適だ(笑)


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