シュエダゴォン・パヤーに近づくにつれ、人の営みが慌ただしく現れるようになってきました。さっきまで道路だけだったのに、いつのまにか小さな商店が見え、職人の工房のようなものが現れ、花屋、土産物屋、食堂などが並んでいました。
花や工芸品はシュエダゴォン・パヤーに供えられるためのものでしょうね。
ちなみに仏教施設に入る前の注意点としてガイドブックにはこのように書いてあります。
「仏教の施設は基本的に裸足が原則。半ズボンやキャミソールなどの露出の多い服装もダメなので、出掛ける前に服装に留意して靴袋を持っていくのがいい」
チェンマイの寺院に入る時もそうだったし、これはもう我々にとっては常識です。靴袋ももちろん持ってます。
子供がビニール袋を持って近づいてきました。靴用の袋をくれるんだな。袋持ってるから要らないよ~とアピールして立ち去ってもらおうとしましたが、強引に袋を持たせてきます。そして、
「マニー。マニー。」
ほら来た。要らないってば。袋を返そうにも受け取ってくれません。「僕ら自分の袋持ってるだろ、要らないから、金もやらないよ。」と言っても聞いてくれません。痺れを切らした万琵が袋を突っ返し速足で立ち去ります。子供はかなり険しい顔をしています。うーむ。このくらいしないとダメなのね。
別の子供が白人さんにトライしていましたが、白人さんは怒った様子で袋をその辺に停めてあった自転車の籠に突っ込んで子供をシカトしました。これぞ、毅然とした態度。旅をするうえで見習わねば。
でもねぇ。僕の理想としては、
袋を持っていない人に差し出す⇒靴入れるのに使ってね⇒ありがとう⇒じゃあこれはお礼も兼ねて。良いことに使ってねとお金を渡す
という流れであってほしいワケです。今は
金が欲しい⇒観光客から金をせびろう⇒袋を渡せば金を要求する口実が出来る⇒はい袋マニー。
逆だろ!順序が!しかも自分の都合だけで人を介してないし。
多くの旅人はブログでそういうもんだと書いています。認めたくねえ。それはただの無関心と諦めでしょ。お金は価値の変換手段で、価値があると思えるものに対して渡すもののはず。この場合は袋をくれた善意に対してであって、善意無きビニール袋に価値は、ありません!
・・・といっても動くお金は少額なんですけどね。
と入る前から一悶着あったワケですが、入口に到着しました。
大きな獅子像が門番をしています。足だけでもこんなに巨大。みんなここで靴を脱いでいたので、我々も裸足になります。足下はかなり汚いです。ほぼ外です。
階段室と言っていいのか、中はかなり広いです。両サイドにまた店が並んでいます。この階段は全部で104段あるそうです。
しばらく進むと靴や靴下、服装の禁止事項が書かれた看板がありました。あれ、ここまで靴オッケーなの?
金属探知機をくぐります。男女で分かれていますね。右が男性、左が女性です。ただし、しっかりと検査をする気はないようです。目視すらされずに素通りしてきちゃいました。
最上段にチケットカウンターがあります。料金は一人8,000チャット。640円くらいです。路線バスに80回乗れるゎ。この国にしてはかなり高めの設定です。手持ち足りなかったらどうしよう。
はい、ATM。さすが。しっかりしてますね。
入場の印になるシールをペタッと身体に貼り付け中に入ると、黄金の仏塔がこれでもかと前にズラリと並んでいます。顔を上げると、
シュエダゴォン・パヤー中央の大きな仏塔。99,4mの高さで、てっぺんには76カラットのダイヤモンドがあるそうです。すんごいですね。金箔から宝石類から全部信仰者の寄進だそうです。
ミャンマーには、八曜日という暦があります。日、月、火、水曜午前、水曜午後、木、金、土。
ここでは、誕生日よりも誕生曜日が重要視されるそうです。何曜日に生まれたか、それがその人の性格や相性、運命を司るそうです。ちなみに万琵も僕も、水曜日の夜に生まれているので水曜午後ということで。
シュエダゴォン・パヤーに入るなり使い古した手帳を持って何曜日か調べてくれたおっさんがいました。我々の生まれた時間を訊くこともせず万琵には水曜午前と言い切っていました。僕は自分で午後だと言い張りました(笑)
「ここでは生まれた曜日ごとの祭壇でお参りするといいことがあるんだよ。ついておいで」
おっさんが言うので、イヤいいですと断ります。が、すぐそこまでだから。と歩き始めます。
ねえあんたガイドなの?二人でゆっくり周りたいからいいよ、と言いますが、そこ見せたらいなくなるからと言って我々を案内し続けます。ちなみに幾らなの?とかガイドなの?とかいう質問には回答有りません。
この状況、完っ全に勝手ガイドだ!(勝手ガイドとは、訊いてもいないのにくっついて歩いてきてあれこれ説明して、後からガイド料を請求するガイドの押し売りのことです。観光客にとってはただただウザい存在です。ホーチミンでホテルの場所を教えてチップを請求してきたおっさんもその族です)
ですが、パヤーの職員かなにかでホントに善意で祭壇まで案内してくれてるのかも、とミャンマー仏教に対してまだ淡い期待があったのか、何となくついていってしまうのでした。さっきビニール袋の一悶着があったばかりなのにねぇ。
キッチリお参りの仕方を教わって試みる万琵。ここは水曜午前の祭壇。万琵は自分が生まれたのが水曜午後だということを既に知っています。ウケる。
鳴らすといいことがあるという釣鐘から涅槃像、祈祷堂、仏歯堂などを経て、
水曜午後の祭壇へ。ここでお参りします。
インドのブッダガヤにある寺院を模して造られたマハーボディ寺院。ここだけ毛色が違います。
万琵が上を向いて何やら紐を引っ張ります。すると、
ワイヤーを伝った先にある布が仏像の頭を扇ぎます。善行なのだそうだ。
最初の階段を外から見るとこんな屋根で覆われていました。両国国技館を思い出しました。
この辺りでようやく勝手ガイドが終わります。水曜午前の祭壇までじゃなかったのか?と思ってから随分かかりました。途中にも断り入れたんですけどね。解説英語だったからあんまり解んなかったし。これまでの写真で同じ人物が写っていたでしょ。その人ね。人柄は良さそうです。
はい2万ね!
2万!?ウソだろ。。
ひょっとしたら善意かも、そうであってほしいという僕の期待はいとも簡単に裏切られ、高くて5,000くらいだろうというヌルい予想も裏切られたのでした。ちなみに5,000と言われても2,000くらいで押し切ろうと考えてました。
ガイド中はなかなか親切でお参りするときなどは真剣に祈っていたので、この人はきっと根っからの悪人ではないんだろうとは思います。しかし流石に2万はない・・・
「誰がガイドやってくれって頼んだ?要らないっていったよね?金払うつもりないよ?なんで幾らって訊いたとき無視した?」と半分怒りを込めて詰めると
「ソーリー。ソーリー。でも金くれ」
「じゃあこれで。これ以上持ってないから」と2,000チャットを渡すも
「これじゃあ全然足りない」
最初の口論に逆戻り。これで押し切ろうとしてたら
「5,000なら持ってるよ?」
万琵ぃぃィ~~~!見せちゃうんかい!(笑)
「じゃあその5,000と合わせて7,000でいいよ」
しょうがないみたいな顔をするな、そこのガイド!その表情はこっちの側だ!
というワケで7,000チャット(560円くらい)を支払い去ってもらいました。そういう商売なんでしょうけど、この国では成り立っているんでしょうけど、商品も値段も見せずに無理矢理買わせてゴネる、っていうやり方は、世界のどこであっても間違ってると思います。日本の民法が常識として通用してほしい~!
フリーになった我々は水曜午後を象徴する聖獣「牙の無い象」と菩提樹を見て心を落ち着かせようと試みるのでした。
ミャンマー人はいい人が多い。
宗教施設にいる信心深い人は人を騙したりしない。
そういう先入観を彼のおかげで払拭することが出来ました。少なくともい「いい人」の定義は日本人のそれとはかけ離れているということですね。そしてこの手の人たちは騙してる意識もないんでしょう。
後で万琵に怒られましたが、最初にはっきりさせておくべきでしたね。
ガイドは必要ない。必要ならこっちからお願いする、その時に値段を決めておく。
東南アジアや中東を旅する上で鉄則ですもんね。反省・・・
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この時滞在していた宿はコチラ⇒Space Boutique Hostel
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