山小屋での夜は長い。
夕方の5時くらいには山に太陽が隠れて薄暗くなりグッと気温が下がるのでトレッカーは暖炉のあるリビングルームに集まって暖炉を囲み談笑しながら、思い思いの時間を過ごすことになる。
この時間は暖炉の火の暖かさをしみじみ感じてとても良い感じ。
夕食は18時半ごろで、夕食を食べ終わってしまったらもうやることはなにもない。Wi-Fiは時間でお金を払って使えるが、こんなところまで来てインターネットをしようという気にはならない。
この時間を楽しみたい。
あまりリビングルームにいるとガイドのアンバーが休めないので、20時過ぎには自分たちの部屋に戻った。
ガイドはトレッキング中は勿論だが、山小屋の中でもゲストの世話を焼いてくれる。
部屋は極寒。
明りは豆電球ひとつなので薄暗く、ますます寒く感じた。つい一昨日までスリランカにいて暑い暑い言っていたのに、この気温差が信じられない。
ありったけの服をきて最後にダウンを着てから寝袋に入る。更にその上から布団を掛けるが、温かくなるまで1時間くらいかかる。
ムラケンは北海道育ちのせいか、体からの熱が多いせいかそんなに寒くないと言っていたが、私は寒くて仕方無かった。
次の日のトレッキング開始は朝の7時半なので朝食は6時半。
6時に起きるとしても21時くらいには寝に入るので9時間も眠ることができる。
トレッキング中は早寝早起き!!健康的な毎日が続く。
ヒマラヤトレッキング・ゴーキョピークルートの情報まとめ記事はコチラのリンクへ
次の日、朝起きると、もう外は明るくなっていた。
窓の外を見ると、もう牛さんたちが仕事を始めて歩き出している。
着替える瞬間が一番キツイ。寒い寒い寒い。
朝食は食パンに玉子焼きの簡単なもの。
昨日の時点でガイドのアンバーがmenuを聞いてくれていた。東京にいた時は7時ごろ朝食を食べていたが、旅に出てから7時に朝食を摂ることなんてそうそうない。あんまりお腹は空いていないけれど、食べておかなきゃね。
さて出発!
私もムラケンも体調は良い。
外はぶるっとするような冷たい空気。ミルキー色の美しい川は綺麗だが、寒さを助長する。
この日の予定はパクディンからナムチェまで行く。
パクディンは2610m、ナムチェは3440mで約7時間程のトレッキングで主に川沿いのトレッキングコースとなり何度も橋を渡る。
3000m越えになると高山病の心配がでてくるのでゆっくりゆっくり進むとする。
この写真の後ろ姿の人、同じ山小屋の方だったのだが、リュックにソーラーパネルを取り付けている。トレッカー上級者のようで、ネパールでのトレッキングは4回目と言っていた。
今回はゴーキョピークからエベレストBCまで行く3週間の日程を組んでいるらしい。
いいな、いいなぁ~。BCも行きたかったなぁ。
その人達のガイドは日本語が少し話せる人で、私たちにもいろいろ話かけてくれた。
歩く前は寒いが、歩きだすとすぐに温かくなってくる。
今日の山も美しい。広い広い空は真っ青で雲一つない。雪化粧をした山は本当に神々しくてほれぼれする。
空気が軽い。
日光が気持ちよいが、ロバは眩しそうだ。
途中でまたもや昨日会った日本人団体トレッカーのおじさまおばさまと一緒になった。
彼らは今日はナムチェの手前の町で泊まりワンクッションおくらしい。ナムチェにつくのは明日だという。
そしてナムチェでは日本人経営のEverest View Hotelに泊まるらしい。いや~私も泊まりたかったな~!!
そしてそこで2泊した後、なんとヘリコプターでルクラまで降りるツアー行程になっているという。
まじかっ!なんとも贅沢!!
ガイドのアンバーが、高級山小屋は高くてお金もちが泊まる、とか言ってたけど、居たよここに同じ国籍のお金もちさんたちが!!
老後の楽しみ方ですな。
ヘリコプターが結構ひっきりなしに行ったり来たりしているのは、こうゆう方たちを乗せているんだなぁ。
もちろん緊急もあるだろうけど。
羨ましいぞ、モ~~~~~
一方で世界一周中の一人旅のバックパッカーの男性にもあった。
彼はポーターもガイドも雇っていなくて、しかも10日間どころか、超飛ばして一週間くらいで登って帰るつもりらしい。
世界一周も終盤らしく時間もお金もないようだ。
彼とはこの時でもう会わなかったが、無事に達成できたことを祈る。
トレッカーも様々だ。
トレッキングの山道は次々と目を楽しませてくれる。
花を覆うようにツララが降りている。花は冷たいだろうが、キラキラしていてダイヤモンドより綺麗に感じる。
このシェルパのお家の中、こじんまりしているけれどちゃんと整頓されている。小さい子供たちがお手伝い。
並んでいる小さい靴も、その下の薪用の小枝の山も、なにもかもが可愛くて綺麗で芸術的。
このポツンと立っているのはトイレ。
トレッキング道にはトイレは結構あるので心配いらない。レストランや山小屋などでも声を掛ければ快く貸してくれる。トイレットペーパーは自分でね。
勿論水洗ではないが、寒いせいか匂いは全くない。
さあ、今日もチェックポイントだ。
ここで個人で行く人は自分で手続きをすることになるが、私たちはアンバーがやってくれる。
パスポートが必要になる。
アンバーが手続きしてくれる間私たちは休憩。
手続きを済ませてもらい、さあ行きましょうかね。
マニストーンの横を通っていく。何度みてもマニストーンは異様な力を湛えているように見える。
またマニストーンが更にこの地を神聖にしているような気もする。
昼食はジョサレというところで高度は2740mの地点。11時くらいに着いて休みながら昼食を食べた。
玉子スープとトマトスープ、パスタにサンドウィッチを頼んだ。スープが美味しい。
私たちは食事込みの契約なのでその都度は払わないが、参考までにスープは250NRp~300NRp。パスタはやピザは450NRp。サンドウィッチがなぜか一番高くて500NRpくらい。menuは充実していて、マカロニやカレーも450NRp程。ホットドリンクはカップで50~80NRp。ビールは缶で380NRpだった。
この地点では思ったより値段は高くない。
さあ、後半戦。
この二重の吊橋の上の方をこれからわたるのだが、一番標高が高い吊橋だとアンバーが言っていた。そこに吹く風をイラリーブリーズというらしい。
アンバーがあの辺に野生のゴーラル(ヒマラヤジカ)がいるよ、と教えてくれた。
え?!どこ??
と目を凝らすと、
お、いたいた。
もう自然に馴染んじゃって、どこにいるのかわからなかったよ。
カメラも望遠にしないと映せない。鹿もこんな危なっかしいところで暮らさなくてもね~。
昼食から歩くこと3時間程。
遥かかなたから、大きな町が見えてきた。
今までの町とは比べ物にならないほど沢山の家が建っている。
そう、ナムチェだ!
着いた~~~3440m!
山道を経ての町というのは本当にテンションが上がる。
嬉しい。
人が沢山集まって洗濯をしている。冷たさそう。ちなみに洗濯は日が出ているときにしかできない。夜にしようとすると、洗っているうちに手が凍傷になると山小屋のおばちゃんが教えてくれた。
ナムチェの町はまるで山のオアシスのようだ。レストランも沢山あるし、お土産屋さんも沢山ある。
時刻は15時過ぎ。ちょうど予定通り、7時間程のトレッキング。ナムチェの宿はHIMALAYAN CYBER CAFEというところ。部屋は昨日と同じようにベッドと毛布があるのみで簡素。
この山小屋は多分一泊200NRpで泊まれると思う。
ナムチェには高度順応のためにこの山小屋に2泊する。
窓からはナムチェの町が見渡せる。なんだかヨーロッパの町並にも見える。
色とりどりでここも可愛い。
この日はホットシャワーを浴びてみた。一人400NRpで浴びられる。
私がはじめに浴びたが、どうもお湯が温くて超寒かった!ムラケンの時はいろいろいじっているうちに熱いシャワーになったみたいだが、もうこんなだったら浴びなくて良かった!っと思った。
しかもドライヤーがないものだから、長い髪の私は浴びたあとも最高に冷えて寒いったらなかった。暖炉に火が点いたら即座に側に陣取って髪を乾かしたけど。
シャワーを浴びるのも考え物だ。サムっ!!
お楽しみの夕食はヤクステーキと野菜カレー。
ヤクステーキは楽しみのひとつで食べてみたかった。柔らかかったし臭みも全然ないし、なかなかの美味!!
参考までにヤクステーキは680NRp。ナムチェでも食事の料金はまだそんなに高くない。スープも300NRpくらいだし、ピザやパスタは600NRp、カレーは500NRpくらいが目安。すこーしづつ下よりも高くなっているが、びっくりするほどではない。
全部美味しい!
このシチューみたいなものはシェルパスープと言って、具がふんだんに入っていて体がとても温まる。野菜も沢山とれる。
ちなみにアンバーが教えてくれたけれど、肉類をたべるのはナムチェより上では止めた方がよいとのことだった。
運んでいるうちに肉が悪くなる可能性があるらしいのだ。
なるほど、そうなのかぁ。
食べた後はこの日も暖炉に皆で集まって談笑しつつ温まる。
あぁ~この感じすきだなぁ~。
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エベレストに登るにはまずスカイスキャナーでネパール行航空券を見つけてから。