大きなゴキブリに出くわした私たちは即座に新しい宿を探し始め、ここに移ってみるかという所を見つけた。
よくよく口コミをみて見ると、たくさんの人がデカいゴキブリに出くわしたことが書いてあった。しかもそれは大半が雨の日で宿の人も雨の日はゴキブリが入ってきてしまうことを知っていたようだ。
あんなに大きなものは初めてみた。美味いもん食っているんだろうな。
そういえば昔インドに行った友達が話してくれたことを思い出した。大雨で道路が洪水になり、ふと壁を見たら大量のでっかいゴキブリが無数に張り付いていて、まるで黒い壁みたいだったと・・・。今まで見たこともないデカさだったと言っていた。
その話を聞いたときは、そんな気持ち悪い場面見てみたい!と好奇心で思ったが、昨日見たゴキブリが大量に居る様を想像して地獄絵図だなと思った。
海外の安宿は隙間だらけだ。多少の虫は平気になったが(いや、多少の虫はムラケンが退治してくれるからだが)、ゴキブリだけはどうしても慣れない。
多分これは小さい時、夜寝ている間に外から飛んできたゴキブリが顔面に張り付いたことがあって、その気持ち悪さが記憶に残っているからだと思う。
しかも私は、まだ発見していない前に、「居る!」となぜか直感が働くことが多い。その着後に必ずと言ってよいほど出くわしてしまう。だから、やっぱり、ということが多い。
多分相当嫌いなんだと思う。
あ~気持ち悪い!
新しい宿は、チェックアウトした宿から徒歩15分程の場所にある。
向かって歩いている間に、レストランを見つけたので朝食を取った。
satangっというお店で、目の前からはバンコク行きのミニバスが発着していた。
サラダを頼んでみたら、これが大きいこと!食べ応えばっちりで、生野菜をふんだんに食べられたのは良かった。ツナの多さもボリューム満点!色使いが綺麗。
私たちが入った時は、オープン前の時間で、それを知らずにずかずか入り他にお客さんはいなかった。が、少したつとぞくぞくとお客さんが入ってきて満席状態になった。
そして次々と大きなお皿に乗ったボリューム満点の料理が運ばれていく。食事も大きかったが、デザートも凄かった。
そうか、ここはボリューム満点で人気のお店なのかもしれない!
料理が大きいのは大歓迎だ!
私たちも便乗して、デザートをひとつ頼んでみることにした。
大きなクレープ!想像通り中にはぎっしり生クリームが入っていた。隣の緑いろの飲み物はグアバシェイク。きた瞬間、うお!またもや色付け飲料か!と思ったが、まあいっか。しめて293バーツ。
移った宿はADAM PLACEという宿。この壁なんか見覚えある色だなと思ったら、さっきの色付け飲料だ。
兎に角奥行きがあって広かった。
ここの宿はオーナーのおばちゃんの親切さが有名。凄く良い人で、朝食付きとは書いてなったが、朝食も出してくれるとのこと。有り難い。
遺跡群からは少し遠くなってしまうのだが、無料のレンタサイクルがあった。
ということで、荷物を置いたら、早速遺跡群を見に行くことにした。
アユタヤの遺跡も沢山ある。スコータイと違ってそれぞれの遺跡で無料だったり入場料がかかったりする。私たちはスコータイも観たばかりだったので、ひとつの遺跡に絞って見ることに。
「ワット・マハータート」という遺跡だ。一人50バーツ。
大半の仏像はこのように頭だけきり落とされている。ビルマ軍に侵略されてこのように廃墟化したみたい。
そして有名なのが、このなんとも神秘的な木の根で覆われた仏頭だ。
私には木の根に覆われたというよりも、木の中に取り込まれていく仏頭に見えた。
それもそのはず、この仏像10年前はもっと顔が出ていたそう。木が成長するにつれてどんどん中に入り込んでいっているそうだ。だからもう10年後には、もしかしたらもっと木に取り込まれて鼻だけが見えるとかそんな状況になるかもとのこと。いつかすべて取り込まれて仏像の顔は全く見えなくなるってことも考えられるということだ。
なぜかわからないが、安部公房の「砂の女」が浮かんできて頭から離れなかった。
この仏頭も初めは窮屈で険しい顔をしていたのかもしれない。時が経つにつれて木の中が心地よくなり、何十年、何百年と時間が経過していく中で、ここが居心地よくなったのかもしれない。今はとても安らぎに満ちた顔になっている。更に時が経過して、木の中にすべて取り込まれた時、この仏頭はまるで母親のお腹の中にいるような感覚にでもなるのだろうか。誰にも見られなくなった仏頭は、ゼロに戻っていくのだろうか。そしてこの木は、どうしてこんなにもこの仏頭を取り込みたいのだろう。いや守りたいのだろう。
何千年と時が流れ、周りの遺跡群もなくなっていくぐらい風化してしまった頃に、この木が雷にでも打たれて真っ二つになったら、あら不思議!仏頭が出てきた!なんて人々が騒ぐのかもしれない。その頃には人間はいなくなっているのかもしれないが。
仏頭はゼロから再びこの世に登場してきた状態になり、新しい時代をまたじっと見ていくことになるのだろうか。
この木はタイムマシーンか?!
なんてあれやこれや思ったが、見ていると並々ならぬ時間の流れを感じて面白かった。
借りたチャリで散策していると、象がいる!
お!像だ!と思ったが、なんだかラムパーンの象とは雰囲気が全然違った。
背中に観光客を載せて働いている象は無表情でなんの感情も持ち合わせていなくて、つまらない仕事してます、て感じだった。ライディング代を象の鼻に掴ませて、象使いの命令で象が「パオ!」と鳴くのだが、その鳴き声も機械的だった。喜んでいる観光客が滑稽に見えるほど、象の方は冷めている。
ここの象は水浴びだってホースの水を上から浴びるだけ。大きな水場で自由に水浴びすることは許されていないようだった。
ちょっとかわいそうだった。それでも象は全てを受け入れているようだった。
夜ごはんは近くにあったパン屋のパン。中を開けてみるとギッシリドライフルーツが入っている。練りこんであるとおもっていたが、中にこんなにギッシリはいっていたとは!!二つで40バーツ。
次の日私たちはまたもや部屋を替えてもらった。
部屋じたいは良かったのだが、下水の匂いがひどくまたもや臭さで夜中起きた。
おばちゃんに言うと即バスルームを掃除してくれ、使ってないときには換気扇をオフにしておくと匂いが上がって来ないと教えてくれた。換気扇の吸引力で下水の匂いが上がってきてしまうみたいだ。たしかに換気扇を止めるとあまり気にならなくなった。だが、なんとなく鼻に残った匂いが消えなくて、もうこの部屋はいやだと言うと違う部屋にしてくれた。でもこの教えは後々にすごくためになって、たまに下水が少しきになる部屋になってしまったときでも、オフにしておけば匂いが気にならなくなり対処できるようになった。日本の住宅みたいに完璧な下水設備はまだ東南アジアの安宿には少ないのだろう。
この宿自体は良い場所だ。だが、部屋にあたり外れがある。
安宿というものは、そうゆうものだ。一番は宿のスタッフが良いか悪いかの方が重要になるかもしれない。宿の人が良い人であれば部屋に気になる点がある場合、言えば最善を尽くしてくれる。それでもダメだったら宿を替えるしかないのだが。
アユタヤは犬がやたら多い。
他の町も多いのだが、アユタヤの犬は吠えてきたりちょっと凶暴な犬が多かった。犬が元気になる夜は特に気をつけたい。
狂犬病も多いらしいので、もし行くときは犬に気をつけて!
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この時滞在していた宿はコチラ⇒アダムプレイス
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本文に書いた安部公房作の「砂の女」です。読みやすくてそんなに長くないのですぐ読めると思います。
興味あればぜひ!!
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